老犬の痙攣が止まらない!緊急時の対処法から原因、余命との関係まで解説
Table of Contents
- 老犬の痙攣が止まらない…飼い主さんが今すぐできること
- まずは落ち着いて安全を確保する
- 痙攣の様子を記録する(動画撮影がおすすめ)
- 発作中にやってはいけないこと
- これって痙攣?老犬に見られる症状と震えとの違い
- 痙攣発作の主な症状
- 痙攣と震えを見分けるための比較表
- 老犬が痙攣を起こす主な原因
- 病気が原因の場合
- てんかん
- 脳の病気(脳腫瘍、脳炎など)
- 内臓の病気(腎不全、肝不全など)
- 中毒
- 低血糖
- 病気以外の原因の場合
- 痛みや強いストレス
- 寒さによる体温低下
- 老齢による筋力の低下
- 痙攣が起きたら動物病院へ|受診のタイミングと検査・治療法
- すぐに受診すべき緊急性の高いケース
- 動物病院で行われる主な検査
- 痙攣の健康維持をサポートする治療法と費用の目安
- 老犬の痙攣と余命の関係|飼い主さんができる長期的なケア
- 痙攣そのものが直接余命を縮めるわけではない
- 痙攣発作後の愛犬への寄り添い方と緩和ケア
- 痙攣の再発リスクを減らすために|日常生活での管理ポイント
- まとめ
- 老犬の痙攣に関するよくあるご質問(FAQ)
- 老犬の痙攣が止まらない時は、まず飼い主さんが落ち着き、愛犬の安全を確保することが最優先です。
- 痙攣の様子を動画で撮影しておくと、動物病院での診断に非常に役立ちます。
- 発作中に体を揺さぶったり、口に物を入れたりするのは危険なため、絶対にやめましょう。
- 痙攣が5分以上続く、短い間隔で繰り返す、発作後に意識が戻らない場合は、すぐに動物病院を受診してください。
- 痙攣の原因はてんかんや脳の病気、内臓疾患など多岐にわたるため、自己判断せず獣医師の診断を仰ぐことが重要です。
大切な愛犬が突然、体を硬直させてガクガクと震え始めたら、誰でもパニックになってしまうでしょう。特に老犬の痙攣が止まらない様子を目の当たりにすると、「このままどうなってしまうのだろう」「何かできることはないか」と不安で胸が張り裂けそうになるお気持ち、お察しします。
しかし、こんな時だからこそ、飼い主さんが冷静に行動することが愛犬の安全を守る鍵となります。
この記事では、老犬の痙攣が止まらない時に飼い主さんが今すぐできる具体的な対処法から、考えられる原因、動物病院での検査や治療、そして長期的なケアの方法までを分かりやすく解説します。
まずは落ち着いて、愛犬のために何ができるかを一緒に確認していきましょう。
老犬の痙攣が止まらない…飼い主さんが今すぐできること

愛犬が痙攣を起こしている姿を見るのは、飼い主さんにとって非常につらい時間です。しかし、動揺している時だからこそ、冷静な対応が求められます。パニックにならず、まずは愛犬の安全を第一に考えた行動をとりましょう。
ここでは、万が一の事態に備え、飼い主さんが「今すぐできること」と「やってはいけないこと」を具体的に解説します。緊急時に適切に対応するためには、正しい知識を持つことが何よりも大切です。痙攣発作は数分で収まることがほとんどですが、その短い時間での対応が、その後の愛犬の状態を左右することもあります。
これからお伝えするポイントをしっかりと頭に入れておき、いざという時に備えましょう。特に、発作の様子を記録することは、獣医師が原因を特定するための重要な手がかりとなります。
まずは落ち着いて安全を確保する
最も大切なのは、飼い主さん自身が落ち着くことです。深呼吸をして、冷静さを取り戻しましょう。その上で、愛犬の周りにある家具や硬い物、危険な物を速やかに移動させてください。痙攣中は犬自身に意識がなく、体をぶつけて怪我をする危険性があります。クッションや毛布などで周囲を囲い、安全なスペースを確保してあげましょう。特に頭を強く打たないように注意が必要です。無理に体を押さえつける必要はありません。静かに見守り、発作が収まるのを待ちましょう。
痙攣の様子を記録する(動画撮影がおすすめ)
可能であれば、スマートフォンの動画機能を使って痙攣の様子を撮影してください。言葉で説明するよりも、実際の映像を見せる方が獣医師にとって遥かに多くの情報となります。撮影する際は、以下の点を意識すると診断の助けになります。
- 発作が始まった時間と終わった時間(持続時間)
- 体のどの部分が痙攣しているか(全身か、顔や足だけか)
- 意識の有無(呼びかけに反応するか)
- よだれ、失禁、失便の有無
これらの記録は、痙攣の原因を特定し、適切な治療方針を立てるための貴重な資料となります。
発作中にやってはいけないこと
愛犬を助けたい一心で、ついやってしまいがちな行動が、かえって危険を招くことがあります。以下のことは絶対に避けてください。
- 体を強く揺さぶる、大声で名前を呼ぶ:発作中の犬は意識がないため、外部からの刺激はほとんど意味がなく、発作を助長する可能性も指摘されています。
- 口の中に手や物を入れる:舌を噛むことを心配してタオルなどを入れる飼い主さんもいますが、無意識に強く噛まれて大怪我をする危険や、窒息のリスクがあります。
- 無理に押さえつける:痙攣は意思でコントロールできるものではありません。無理に押さえつけると、骨折や脱臼の原因になることがあります。
これって痙攣?老犬に見られる症状と震えとの違い

老犬になると、寒さや筋力の低下でブルブルと震えることが増えます。そのため、いざという時に「これはただの震え?それとも危険な痙攣?」と見分けに迷う飼い主さんは少なくありません。
痙攣発作は脳の異常な電気的興奮によって起こるため、単なる震えとは根本的に異なります。意識の状態や体の動き方など、いくつかのポイントに注目することで、両者を見分けることが可能です。この違いを正しく理解しておくことは、緊急性を判断し、迅速に動物病院へ連れて行くべきかを見極める上で非常に重要になります。
痙攣発作の主な症状
痙攣発作と一言でいっても、その症状は様々です。一般的に見られる主な症状には以下のようなものがあります。
- 全身または体の一部が硬直し、ガクガクと震える
- 意識を失い、呼びかけに反応しない
- 口から泡を吹いたり、大量のよだれが出る
- 手足を突っ張り、バタバタと動かす
- 失禁や失便をしてしまう
- 眼球が左右に揺れたり、白目をむいたりする
これらの症状が一つ、あるいは複数同時に見られる場合、痙攣発作の可能性が高いと考えられます。
痙攣と震えを見分けるための比較表
痙攣と震えは見た目が似ていることもありますが、いくつかの明確な違いがあります。以下の比較表を参考に、愛犬の状態を冷静に観察してみてください。この違いを知っておくだけでも、落ち着いて対応できるようになります。
|
項目 |
痙攣 |
震え |
|---|---|---|
|
意識 |
ないことが多い(呼びかけに無反応) |
ある(呼びかけに反応する) |
|
体の動き |
硬直したり、規則性のない動き(ガクガク、バタバタ) |
小刻みでリズミカルな動き(ブルブル) |
|
止められるか |
止められない |
体を温めたり、抱きしめると収まることがある |
|
随伴症状 |
よだれ、失禁、失便などを伴うことがある |
通常、伴わない |
|
発作後の様子 |
ぼーっとしたり、ふらついたりすることがある |
原因が解消されれば元に戻る |
老犬が痙攣を起こす主な原因

老犬が痙攣を起こす背景には、様々な原因が隠されています。単に加齢によるものと片付けることはできず、脳の病気や内臓の機能低下、中毒など、深刻な健康問題が潜んでいる可能性も少なくありません。
一方で、病気ではなく、痛みやストレスといった身体的・精神的な要因が引き金になることもあります。原因によって対処法やその後の治療方針は大きく異なります。そのため、なぜ痙攣が起きたのか、考えられる可能性を幅広く知っておくことが重要です。
ここでは、痙攣の主な原因を「病気が原因の場合」と「病気以外の原因の場合」に分けて、それぞれ詳しく解説していきます。愛犬の様子と照らし合わせながら、原因を探るヒントにしてください。
病気が原因の場合
老犬の痙攣で最も注意すべきなのが、病気が原因となっているケースです。特にシニア期に入ると、様々な病気のリスクが高まります。痙攣は、目に見える症状の一つに過ぎず、その裏には治療が必要な疾患が隠れていることが多いため、早期発見・早期対応が鍵となります。
脳に直接的な原因がある場合もあれば、他の臓器の不調が脳に影響を及ぼして痙攣を引き起こすこともあります。原因となる病気は多岐にわたるため、獣医師による専門的な検査を通じて正確な診断を受けることが不可欠です。
ここでは、老犬の痙攣を引き起こす代表的な病気について見ていきましょう。
てんかん
犬の痙攣で最もよく知られている原因の一つが「てんかん」です。特に明らかな原因が見当たらないのに痙攣発作を繰り返す場合、「特発性てんかん」と診断されることがあります。遺伝的な要因が関わっているとも考えられており、特定の犬種、例えばビーグルやゴールデン・レトリバーなどで見られやすい傾向があります。
脳の病気(脳腫瘍、脳炎など)
老犬の場合、脳腫瘍が原因で痙攣が起きるケースは少なくありません。腫瘍が脳を圧迫したり、脳内で炎症が起きたりすることで、正常な神経伝達が妨げられ、発作を引き起こします。脳炎や水頭症といった他の脳疾患も、痙攣の原因となり得ます。これらの病気は進行性であることが多く、早期の診断が重要です。
内臓の病気(腎不全、肝不全など)
腎臓や肝臓の機能が著しく低下すると、体内に毒素が溜まってしまいます。この毒素が脳にまで達し、神経に悪影響を及ぼすことで痙攣(尿毒症や肝性脳症)が誘発されることがあります。特に慢性の腎不全や肝不全を患っている老犬では注意が必要です。食欲不振や多飲多尿といった他の症状も併せて見られます。
中毒
犬にとって有害な物質を誤って口にしてしまった場合も、痙攣の原因となります。例えば、チョコレートや玉ねぎ、殺虫剤、不凍液などが挙げられます。特に好奇心旺盛な犬や、判断力が低下した老犬は誤食のリスクが高まります。何か変わったものを食べた可能性がないか、部屋の中を確認することも大切です。
低血糖
血液中の糖分濃度が極端に低くなる低血糖も、脳のエネルギー不足を引き起こし、痙攣の原因となります。特にインスリノーマ(膵臓の腫瘍)や、糖尿病の治療でインスリンを投与している場合に起こりやすいとされています。ぐったりして元気がない、ふらつくといった症状が前触れとして現れることもあります。
病気以外の原因の場合
痙攣は必ずしも深刻な病気だけが原因とは限りません。老犬の身体的な変化や、日常生活の中に潜む要因が引き金となることもあります。例えば、体のどこかに強い痛みを感じていたり、急激な温度変化に体が対応できなかったりする場合です。
これらの原因は、病気とは異なり、生活環境の改善や適切なケアによってリスクを軽減できる可能性があります。愛犬の様子を日頃からよく観察し、些細な変化に気づいてあげることが、痙攣の予防にも繋がります。
痛みや強いストレス
関節炎や椎間板ヘルニアなど、体のどこかに強い痛みがあると、その刺激が引き金となって痙攣のような症状を示すことがあります。また、雷や花火の大きな音、引っ越しなどの環境の変化による強いストレスも、神経系に影響を与え、発作を誘発する一因となる可能性が考えられています。
寒さによる体温低下
老犬は体温調節機能が衰えているため、寒さによって体温が下がりやすい傾向があります。体が冷えすぎると、筋肉が意思とは関係なく収縮し、震えや痙攣に似た症状を引き起こすことがあります。特に冬場の寒い時期や、冷房が効きすぎた室内では注意が必要です。室温管理を徹底しましょう。
老齢による筋力の低下
加齢に伴い足腰の筋力が低下すると、立っているだけでも足がプルプルと震えることがあります。これは痙攣発作とは異なりますが、飼い主さんから見ると痙攣のように見えて心配になるかもしれません。特に後ろ足に見られることが多く、体を支えるのが困難になっているサインと考えられます。
痙攣が起きたら動物病院へ|受診のタイミングと検査・治療法

愛犬が初めて痙攣を起こした場合、またはいつもと様子が違う場合は、発作が収まった後、できるだけ早く動物病院を受診することが推奨されます。たとえ発作が短時間で終わり、その後ケロッとしていたとしても、水面下で病気が進行している可能性があるからです。獣医師は、飼い主さんから提供される情報(撮影した動画や記録)と、専門的な検査結果を総合的に判断して、痙攣の原因を突き止めます。原因が分かれば、それに合わせた適切な治療やケアを開始することができます。
ここでは、どのような場合に緊急で受診すべきか、病院で一般的に行われる検査内容、そして治療法や費用の目安について解説します。事前に流れを知っておくことで、落ち着いて受診に臨むことができるでしょう。
すぐに受診すべき緊急性の高いケース
ほとんどの痙攣発作は数分以内に収まりますが、以下のような状況は「痙攣重積状態」や「群発発作」と呼ばれ、脳に深刻なダメージを与えたり、命に関わったりする危険な状態です。一刻も早く、夜間救急を含めた動物病院に連絡し、指示を仰いでください。
- 痙攣発作が5分以上続いている
- 短い間隔(24時間以内)で発作を何度も繰り返す
- 発作が終わっても、意識がはっきりと戻らない
- 呼吸が苦しそう、舌の色が紫色になっている(チアノーゼ)
- これらのサインを見逃さず、迅速に行動することが愛犬の命を救うことに繋がります。
動物病院で行われる主な検査
動物病院では、痙攣の原因を特定するために、様々な検査を段階的に行います。まずは飼い主さんからの詳しい問診(いつから、どんな症状か、など)と、一般的な身体検査を行います。その後、原因を絞り込むために、以下のような検査が必要に応じて実施されます。
- 血液検査・尿検査:内臓疾患(腎不全、肝不全)や低血糖、電解質の異常、炎症の有無などを調べます。痙攣の原因を探るための基本的な検査です。
- レントゲン検査・超音波検査:胸部や腹部の臓器に異常がないか、腫瘍の存在などを画像で確認します。
- 神経学的検査:歩行の様子や反射などをチェックし、脳や神経系のどこに異常があるかを評価します。
- 高度画像診断(CT・MRI検査):脳腫瘍や脳炎、水頭症など、脳そのものの異常を詳しく調べるために行われます。全身麻酔が必要となります。
痙攣の健康維持をサポートする治療法と費用の目安
痙攣の治療は、その原因によって大きく異なります。原因となっている病気(例えば腎不全や脳腫瘍)が特定された場合は、その病気自体の治療が優先されます。原因が特定できない特発性てんかんの場合は、発作の頻度や重症度をコントロールし、生活の質(QOL)を維持することを目的とした「抗てんかん薬」による内科療法が中心となります。これらの薬は、獣医師の指示通りに毎日継続して飲ませることが非常に重要です。
治療費は、検査内容や治療法によって大きく変動しますが、一般的な目安として、初診・血液検査で1〜2万円、CT・MRIなどの高度画像診断を行う場合は10万円以上かかることもあります。抗てんかん薬は、月々数千円から1万円程度が目安とされています。
老犬の痙攣と余命の関係|飼い主さんができる長期的なケア

愛犬が痙攣を起こすと、飼い主さんの頭をよぎるのは「余命」という言葉かもしれません。特に老犬の場合、深刻な病気が隠れているのではないかと、最悪の事態を想像してしまうのは自然なことです。
しかし、痙攣という症状が、必ずしも直接的に寿命を縮めるわけではありません。大切なのは、痙攣の背景にある原因を正しく理解し、愛犬が穏やかに過ごせるように、日々のケアを工夫してあげることです。
ここでは、痙攣と余命の関係についての考え方と、発作が起きた後の愛犬に飼い主さんが寄り添い、少しでも快適な毎日を送れるようにサポートするための緩和ケアについてお伝えします。
痙攣そのものが直接余命を縮めるわけではない
まず知っておいていただきたいのは、痙攣発作そのものが直接的な死因となるケースは稀であるということです。特に、原因が特発性てんかんで、抗てんかん薬によって発作がうまくコントロールできている場合、健康な犬と変わらない寿命を全うすることも少なくありません。
ただし、脳腫瘍や末期の腎不全・肝不全など、重篤な病気が原因で痙攣が起きている場合は、その元となる病気の進行度が余命に大きく関わってきます。大切なのは、痙攣という症状に一喜一憂するのではなく、獣医師と相談しながら、愛犬の全体的な健康状態を管理していくことです。
痙攣発作後の愛犬への寄り添い方と緩和ケア
痙攣発作は、犬の体力を非常に消耗させます。発作後は、脳が混乱した状態で、ぼーっとしたり、視力が一時的に落ちたり、同じ場所をぐるぐる歩き回ったりすることがあります。この時間は、愛犬がとても不安を感じています。優しく名前を呼びかけ、撫でて安心させてあげましょう。無理に動かさず、静かで落ち着ける場所でゆっくり休ませてあげることが大切です。水や食事も、意識がはっきり戻ってから与えるようにしてください。
また、獣医師と相談の上、生活環境を整える(段差をなくす、滑らない床材にするなど)ことも、発作時や発作後の怪我を防ぐための重要な緩和ケアの一つです。
痙攣の再発リスクを減らすために|日常生活での管理ポイント

痙攣の原因が何であれ、一度発作を経験した愛犬に対しては、再発のリスクを少しでも減らすための日常生活の管理が重要になります。特に、てんかんのように生涯にわたる付き合いが必要な場合、日々のケアが愛犬のQOL(生活の質)を大きく左右します。
飼い主さんが気をつけるべきポイントは、決して難しいことばかりではありません。薬の管理を徹底し、ストレスの少ない穏やかな環境を整え、定期的に健康状態をチェックすること。これらの積み重ねが、発作の頻度を減らし、愛犬との穏やかな時間を守ることに繋がります。
- 処方薬の管理を徹底する:抗てんかん薬などを処方されている場合、自己判断で量を変えたり中断したりするのは絶対にやめましょう。飲み忘れがないよう、時間と量を正確に守ることが発作のコントロールに不可欠です。
- ストレスの少ない環境を整える:大きな音や急な環境の変化は、発作の引き金になることがあります。愛犬が安心して過ごせる、静かで落ち着いた生活環境を心がけましょう。
- 定期的な健康診断を受ける:痙攣の原因となる内臓疾患などは、血液検査などで早期に発見できる場合があります。シニア期に入ったら、半年に一度は健康診断を受け、体調の変化をチェックすることが大切です。
- 日々の様子を記録する:小さな発作や体調の変化など、日々の様子を日記につけておくと、獣医師とのコミュニケーションがスムーズになり、治療方針の決定にも役立ちます。
- まとめ
老犬の痙攣は、飼い主さんにとって非常に衝撃的な出来事ですが、冷静な初期対応が愛犬の安全を守ります。まずは落ち着いて安全を確保し、発作の様子を動画で記録してください。痙攣が5分以上続くなど、緊急性の高い場合はすぐに動物病院へ連絡しましょう。原因はてんかん、脳腫瘍、内臓疾患など多岐にわたるため、獣医師による正確な診断が不可欠です。
痙攣自体が直接余命を縮めるわけではありませんが、背景にある病気の管理が重要となります。日頃から処方薬の管理を徹底し、ストレスの少ない環境を整えることで、再発リスクの軽減をサポートできます。この記事が、不安な気持ちを抱える飼い主さんの助けとなり、愛犬との穏やかな毎日を守る一助となれば幸いです。
老犬の痙攣に関するよくあるご質問(FAQ)
夜中に痙攣が起きたら、朝まで待っても大丈夫ですか?
痙攣が5分以上続く場合や、短い間隔で繰り返す場合は、夜間であっても救急動物病院を受診することを強くお勧めします。これらは命に関わる危険なサインです。もし発作が2〜3分で完全に収まり、その後意識もはっきりしているようであれば、翌朝かかりつけの病院に連絡して指示を仰ぐという選択肢もありますが、基本的には一度獣医師に相談するのが安心です。
痙攣を予防できる食事やサプリメントはありますか?
特定の食事やサプリメントで痙攣を完全に予防することは、一般的に難しいとされています。ただし、例えば肝不全が原因の場合はタンパク質を調整した食事、腎不全が原因の場合はリンやナトリウムを制限した食事が、病状の管理に役立ち、結果として痙攣のリスク軽減をサポートする可能性があります。自己判断で与えず、必ず獣医師に相談の上、愛犬の状態に合った食事管理を行いましょう。
抗てんかん薬に副作用はありますか?
抗てんかん薬には、副作用が見られることがあります。飲み始めによく見られるのは、眠気、ふらつき、食欲増進、飲水量の増加などです。これらの多くは、体が薬に慣れるにつれて軽減していきます。しかし、稀に肝臓への負担などの重い副作用が出る可能性もあるため、獣医師の指示に従って定期的な血液検査を受け、健康状態をチェックすることが非常に重要です。
痙攣発作後、犬は発作のことを覚えているのでしょうか?
一般的に、全般発作(全身性の痙攣)を起こしている最中の犬には意識がないため、発作中の出来事を覚えていることはないと考えられています。しかし、発作後の混乱した状態(発作後症状)で不安を感じることはあります。飼い主さんが優しく寄り添い、「大丈夫だよ」と安心させてあげることが、愛犬の精神的なケアに繋がります。
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