
犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?症状・グレードと治療法・費用まで徹底解説
犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)は進行すると、歩行困難や慢性的な痛みで日常生活に支障をきたすことがあります。小型犬に多くみられますが、すべての犬種で発症する可能性があるため、早期の発見と治療が重要な鍵となります。
この記事では、膝蓋骨脱臼(パテラ)の基本的な知識から、重症度を示すグレード分類、そして具体的な治療法、治療費用や保険適応まで詳しくご紹介します。
犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは
「パテラ」は膝蓋骨脱臼のことで、膝のお皿にあたる膝蓋骨が正常な位置からずれてしまう疾患です。初期の段階ではほとんど症状が見られないことも多く、飼い主さんが気づいたときには、すでに進行してしまっているケースも少なくありません。
そのまま治療せず負担がかかった状態で生活を続けていると、関節の炎症や骨の変形を引き起こす恐れもあります。脚をかばうような歩き方や、一時的に片足を上げるといった様子が見られたら要注意です。早めに獣医師による診察を受けましょう。
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膝蓋骨脱臼(パテラ)のグレード
膝蓋骨脱臼(パテラ)は、症状の進行度によってグレード(重症度)が分類されています。
グレード1
膝蓋骨は通常、滑車溝に収まっていますが、手で押すと脱臼する状態です。日常生活にはほとんど支障がなく、症状が出ないため、飼い主が気づかないケースが多いでしょう。まれに脱臼すると、スキップするような歩き方をする、後ろ足を一時的に浮かせるといった様子が見られます。脱臼しても、手で戻せば元の位置に戻るのが特徴です。
グレード2
普段は膝蓋骨が滑車溝に収まっていますが、脱臼と元に戻るを繰り返す状態です。突然、後ろ足をあげて痛がるといった症状が見られることもあります。手で押せば元の位置に戻せますが、脱臼を繰り返すうちに関節への負担が増し、変性性関節症が進行する、関節炎を併発するといったリスクが高くなります。
グレード3
膝蓋骨が常に脱臼した状態で、手で押せば一時的に元の位置に戻りますが、すぐにまた外れてしまうのが特徴です。この段階では骨の変形が見られることも多く、腰を落としたような姿勢で歩く、後ろ足を曲げたまま歩くといった明らかな歩行異常が現れます。
グレード4
膝蓋骨が常に脱臼した状態で、手で押しても元の位置に戻らない重度の状態です。骨の変形がさらに進行し、膝の関節がうまく動かなくなるため、正常な歩行ができない・日常生活にも大きな支障が出るといった深刻な症状が見られます。
グレード1〜2の段階では、日常生活に支障が出ないことも多いかもしれません。しかし、膝蓋骨脱臼(パテラ)は進行することで、手術が必要になるほど悪化してしまう可能性があります。「もしかして?」と思うような症状が見られたら、できるだけ早めに動物病院を受診し、早期発見・早期治療に努めましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)の治療は、内科的なアプローチで経過を見ていく場合もあれば、外科的な処置が必要になることもあります。ここからは、それぞれの治療方法について詳しく見ていきましょう。
犬の膝蓋骨脱臼の治療
膝蓋骨脱臼(パテラ)の治療は、グレードや犬の年齢、生活習慣などを考慮して、内科的治療と外科的治療に分けて検討されます。
内科的治療
病状が軽い場合や、年齢・体調の面から外科手術が難しい犬には、内科的な治療が選ばれます。この治療では、痛みの緩和と関節の保護が主な目的です。
具体的な対処法としては、以下のようなものがあります。
【運動制限】
過度なジャンプや階段の昇り降りを避けて、関節に負担をかけないようにします。
【体重管理】
肥満は関節への負担を大きくするため、適正体重の維持やダイエットを行います。
【鎮痛剤・消炎剤の投与】
痛みや炎症を抑えるために薬を使用します。
【サプリメントの活用】
グルコサミンやコンドロイチンなど、関節をサポートする成分を補うサプリメントを取り入れることもあります。
外科的治療
グレードが高い場合や、内科的な治療で改善が見られない場合には、外科手術が必要になることがあります。ただし手術を行うかどうかは、症状の重さだけでなく、犬の年齢や持病などを含めた総合的な判断が求められます。
主な手術には、次のような方法があります。
【大腿骨滑車形成術】
膝蓋骨をはめこむる溝(滑車溝)を深くする手術です。
【脛骨粗面転移術】
手術により足のすねを正常な位置に近づける手術です。
手術後は安静が必要なため、一定期間の入院が必要になります。入院期間は手術内容や術後の状態によって異なりますが、安静にしたうえで、獣医師の指導のもとリハビリを進めていきます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)の手術費用は?保険は適応される?
手術費用は、術式や犬種、動物病院によりますが、一般的には16万〜40万円程度が目安です。これに加えて、術前検査や入院費用も必要になります。さらに、術後の通院やリハビリにかかる費用も、あらかじめ想定しておくと安心です。
ペット保険については、会社や加入コースによって対応が異なりますが、多くの場合、膝蓋骨脱臼の手術費用は補償対象となります。ただし、過去に膝蓋骨脱臼と診断されたことがある場合は、補償の対象外となったり、保険自体に加入できないケースもあります。加入前に各保険会社の条件をよく確認しましょう。
関節ケアは続けることが大切
膝蓋骨脱臼(パテラ)と診断された場合、治療だけでなく、日常生活でのケアを継続することがとても大切です。たとえば、滑りやすい床にはマットを敷いたり、段差のある場所にステップを設けたりと、生活環境を見直すことで関節への負担を軽減することができます。
また、関節の健康をサポートする成分を含んだサプリメントを取り入れることも有効です。治療の一環として動物病院で処方されることもありますが、ご家庭でのケアとして日々の習慣にするのもおすすめです。継続して摂取することで、関節の状態を整え、症状の進行を遅らせたり、将来的な関節トラブルの予防にもつながります。
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