犬の健康診断の費用はいくら? 年齢別の料金相場から検査内容、準備まで徹底解説
Table of Contents
- そもそも犬の健康診断はなぜ必要?元気に見えても大切な3つの理由
- 理由1:言葉で不調を伝えられない犬の病気を早期発見できる
- 理由2:元気な時の健康データが将来の「ものさし」になる
- 理由3:病気の重症化を防ぎ、将来的な治療費の負担を軽減できる
- 【年齢別】犬の健康診断はいつから?受ける頻度の目安
- 子犬期(〜1歳):初めての健康診断は生後半年〜1歳頃に
- 成犬期(1歳〜6歳頃):年に1回の定期検診を習慣に
- シニア期(7歳頃〜):半年に1回のこまめなチェックが理想
- 犬の健康診断で何をするの?基本的な検査項目と内容をわかりやすく解説
- 1. 問診・視診・触診・聴診:獣医師による基本的なチェック
- 2. 血液検査:内臓の働きや栄養状態などを調べる
- 3. 尿検査・便検査:腎臓の病気や消化管の問題を発見
- 4. レントゲン検査:骨や胸、お腹の中の状態を確認
- 5. 超音波(エコー)検査:内臓の内部構造を詳しく見る
- 【料金表】犬の健康診断にかかる費用相場は?コース別に解説
- 基本的な健康診断(血液検査など):5,000円~15,000円
- 総合的な健康診断(ドッグドック):15,000円~30,000円以上
- 健康診断の費用・料金プラン比較表
- 費用が変わる要因は?(地域・病院の規模・検査項目)
- 初めてでも安心!健康診断当日の流れと事前準備
- 健康診断の前に準備しておくことリスト
- 絶食・絶水は必要?時間はどのくらい?
- 新鮮な尿や便の採取方法
- 普段の様子をメモしておく
- 予約から検査結果の説明までの流れ
- ペット保険は健康診断の費用に使える?
- もし健康診断で異常が見つかったら?
- 犬の健康診断費用を少しでも抑える3つのポイント
- 1. 動物病院のキャンペーンを利用する
- 2. 必要な検査項目を獣医師と相談して決める
- 3. 日頃の予防で将来の医療費を考える
- まとめ:定期的な健康診断で愛犬との健やかな毎日を
- 犬の健康診断の費用に関するよくあるご質問(FAQ)
- 犬の健康診断の費用は、基本的な検査で5,000円~15,000円、詳細な検査を含む総合的なプラン(ドッグドック)では15,000円~30,000円以上が目安です。
- 受診頻度は、成犬期(1歳〜6歳頃)は年に1回、シニア期(7歳頃〜)は半年に1回が推奨されます。
- 元気に見えても、言葉で不調を伝えられない愛犬の病気を早期発見し、将来の治療費負担を軽減するために定期的な健康診断は非常に重要です。
- 健康診断は基本的にペット保険の対象外ですが、異常が見つかった場合の精密検査や治療には保険が適用されることが一般的です。
毎日元気いっぱいに走り回る愛犬を見ていると、「うちの子は健康だから大丈夫」と思いがちですよね。でも、「周りの飼い主さんは健康診断を受けさせているみたいだけど、本当に必要なのかな?」「費用はどのくらいかかるんだろう?」と、いざ考え始めると分からないことだらけで不安になる方も多いのではないでしょうか。
特に初めて犬を飼った方にとっては、いつ、どんな検査を受けさせれば良いのか、見当もつかないかもしれません。
この記事では、そんな飼い主さんの不安に寄り添い、犬の健康診断の必要性から、年齢別の適切な頻度、具体的な検査内容、そして気になる費用相場まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。
この記事を読めば、安心して動物病院に相談できるようになり、愛犬の健康を守るための第一歩を踏み出せるはずです。
そもそも犬の健康診断はなぜ必要?元気に見えても大切な3つの理由

愛犬が毎日元気に過ごしていると、健康診断の必要性を感じにくいかもしれません。しかし、犬は不調を隠す習性があり、飼い主さんが気づいたときには病気が進行しているケースも少なくありません。
人間が1年に1回健康診断を受けるように、犬にとっても定期的なチェックは、健やかな毎日を長く続けるために不可欠です。ここでは、元気に見える愛犬にこそ健康診断が大切な3つの理由を解説します。
「元気な時のデータは、いわばその子の『健康の基準値』。将来、体調を崩した時にそのデータと比較することで、わずかな変化にも早く気づき、的確な診断を下すための非常に重要な『ものさし』になるのです」
獣医師の視点
見た目だけではわからない体の内側の変化を捉え、愛犬の「いつも通り」を正確に知っておくこと。それが、万が一の時に愛犬を救う大きな手助けとなります。大切な家族である愛犬が、一日でも長く健康でいられるよう、予防医療としての健康診断の重要性を理解しておきましょう。
理由1:言葉で不調を伝えられない犬の病気を早期発見できる
犬は、体のどこかに痛みや違和感があっても、言葉で私たちに伝えることができません。また、野生時代の名残から、弱っている姿を隠そうとする本能があります。そのため、飼い主さんが「なんだか様子がおかしいな」と感じた時には、すでに病気がかなり進行してしまっていることも珍しくないのです。
定期的な健康診断は、そんな隠れた病気のサインを早期に発見するための唯一の有効な手段です。血液検査や尿検査、画像検査などを通じて、症状として現れる前の段階で体の異常を見つけることができれば、早期治療につながり、愛犬の負担を最小限に抑えることが可能になります。
理由2:元気な時の健康データが将来の「ものさし」になる
健康診断は、病気を見つけるためだけのものではありません。元気な時の血液検査の数値や体重、心音などのデータを記録しておくこと自体に、非常に大きな価値があります。これらのデータは、その子だけの「健康の基準値」となります。将来、何らかの不調が見られた際に、過去の健康な時のデータと比較することで、獣医師は体の変化をより正確に、そして迅速に把握できます。
個体差が大きい犬にとって、一般的な基準値だけでなく、その子自身の基準値という「ものさし」を持つことは、的確な診断と治療の大きな助けになるのです。
理由3:病気の重症化を防ぎ、将来的な治療費の負担を軽減できる
病気の発見が遅れ、重症化してから治療を始めると、治療が長期化し、愛犬の体への負担が大きくなるだけでなく、飼い主さんの経済的な負担も増大します。例えば、初期の腎臓病や心臓病は、定期的な健康診断で早期に発見できれば、食事療法や投薬によって進行を緩やかにするサポートが期待できます。
しかし、発見が遅れると、大掛かりな治療や手術が必要になることも。定期的な健康診断の費用は決して安くはありませんが、病気の重症化を防ぐことで、結果的に将来の大きな医療費負担を軽減することにつながるのです。
【年齢別】犬の健康診断はいつから?受ける頻度の目安

「健康診断が大切なのはわかったけど、一体いつから、どのくらいの頻度で受ければいいの?」という疑問も当然です。犬の健康診断を受ける適切なタイミングや頻度は、人間と同じようにライフステージによって異なります。一般的に、犬の成長スピードは人間の約4〜7倍といわれており、それだけ体の変化も早いということです。
ここでは、「子犬期」「成犬期」「シニア期」の3つのステージに分けて、健康診断を受ける頻度の目安を解説します。愛犬の年齢に合わせた健康管理プランを立てるための参考にしてください。
子犬期(〜1歳):初めての健康診断は生後半年〜1歳頃に
子犬を家族に迎えたら、まずは混合ワクチン接種などで動物病院を訪れる機会があるでしょう。その際に、基本的な健康チェックは行われますが、本格的な健康診断は、体が成長し、落ち着いてくる生後半年から1歳頃に初めて受けるのがおすすめです。
この時期の検査では、目に見えない先天性の病気がないか、成長に問題がないかなどをチェックします。ここで得られたデータが、その子の生涯にわたる健康管理の基礎となります。
成犬期(1歳〜6歳頃):年に1回の定期検診を習慣に
1歳から6歳頃までの成犬期は、心身ともに最も充実している時期です。元気で病気とは無縁に見えるかもしれませんが、この時期から年に1回の定期的な健康診断を習慣にすることが大切です。
特に、犬種によってかかりやすい病気(例えば、ミニチュア・ダックスフンドの椎間板ヘルニアや、ゴールデン・レトリバーの腫瘍など)もあります。定期的なチェックで病気の兆候を早期に発見し、健康な状態を長く維持することを目指しましょう。
シニア期(7歳頃〜):半年に1回のこまめなチェックが理想
犬は7歳頃からシニア期に入り、体の機能が少しずつ変化し始めます(大型犬の場合は5歳頃からと、より早くシニア期に入ります)。この時期になると、心臓病、腎臓病、関節疾患、腫瘍など、様々な病気のリスクが高まります。そのため、シニア期に入ったら、半年に1回の頻度で健康診断を受けるのが理想的です。
こまめにチェックすることで、加齢に伴う体の変化を早期に捉え、適切なケアや治療につなげ、愛犬の生活の質(QOL)を高く保つサポートができます。
犬の健康診断で何をするの?基本的な検査項目と内容をわかりやすく解説

「健康診断」と一言で言っても、具体的にどんなことをするのか、愛犬に痛い思いをさせないか、不安に思う飼い主さんもいるでしょう。犬の健康診断は、人間ドックのように、いくつかの検査を組み合わせて行われます。
基本的な診察から、血液や尿を調べる検査、レントゲンや超音波で体の中を見る検査まで様々です。ここでは、一般的な健康診断で行われる基本的な検査項目とその内容について、一つひとつ分かりやすく解説していきます。
それぞれの検査で何がわかるのかを知ることで、獣医師からの説明も理解しやすくなり、安心して健康診断に臨めるはずです。
1. 問診・視診・触診・聴診:獣医師による基本的なチェック
これは健康診断の基本中の基本となる診察です。
- 問診:飼い主さんから、普段の食事や飲水量、排泄の状態、元気の有無など、家での様子を詳しくヒアリングします。
- 視診:目や耳、口の中、皮膚、歩き方などを目で見て、異常がないかを確認します。
- 触診:リンパ節の腫れや、お腹にしこりがないかなどを、全身を丁寧に触って確かめます。
- 聴診:聴診器を使って、心臓の音や肺の音、腸の動きに異常がないかを聞き取ります。
これらの診察は、愛犬に負担をかけることなく、全身の状態を把握するための重要なステップです。
2. 血液検査:内臓の働きや栄養状態などを調べる
血液検査は、ごく少量の血液を採血して調べる検査で、体の内部の状態について非常に多くの情報を得ることができます。主に「血球計算検査」と「血液生化学検査」の2種類があります。
- 血球計算検査:赤血球、白血球、血小板の数を調べ、貧血や炎症、感染症の有無などを確認します。
- 血液生化学検査:肝臓や腎臓、膵臓といった内臓の機能や、血糖値、コレステロール値などを測定し、糖尿病や内臓疾患の兆候がないかを調べます。
目に見えない内臓の異常を早期に発見するために欠かせない検査です。
3. 尿検査・便検査:腎臓の病気や消化管の問題を発見
自宅で採取した新鮮な尿や便を調べます。
- 尿検査:尿の色やpH、タンパク、糖などを調べることで、腎臓病や膀胱炎、糖尿病などの病気のサインを見つけるのに役立ちます。
- 便検査:便の状態や色、寄生虫の有無などを確認します。消化器系の問題や、内部寄生虫の感染がないかを調べるために重要です。
愛犬に負担をかけずに、多くの健康情報を得られる大切な検査です。
4. レントゲン検査:骨や胸、お腹の中の状態を確認
X線を使って体の中を撮影する検査です。骨や関節の異常(関節炎や骨折など)だけでなく、胸の中にある心臓の大きさや形、肺の状態、お腹の中の臓器の大きさや位置などを確認することができます。
特に、心臓病や誤飲、腫瘍などの発見に役立ちます。撮影は一瞬で終わるため、犬への負担も比較的少ない検査といえます。
5. 超音波(エコー)検査:内臓の内部構造を詳しく見る
超音波(エコー)検査は、レントゲンでは分かりにくい、内臓の内部構造や血流などをリアルタイムで詳しく観察できる検査です。心臓の動きや弁の状態、肝臓や腎臓、膀胱、消化管の壁の厚さなどを詳細に評価できます。腫瘍や結石、炎症などの発見に非常に有効で、体に害のない安全な検査です。
【料金表】犬の健康診断にかかる費用相場は?コース別に解説

愛犬の健康のために健康診断が重要だと分かっていても、やはり気になるのは「費用」ですよね。犬の健康診断は自由診療のため、動物病院によって料金が大きく異なります。また、どこまでの検査を行うかによっても費用は変動します。
一般的に、動物病院では基本的な検査をまとめた「基本コース」や、より詳細な検査を含む「総合コース(ドッグドック)」などが用意されています。
ここでは、健康診断にかかる費用の目安をコース別に解説し、料金プランの比較表もご紹介します。おおよその相場を知っておくことで、予算の計画も立てやすくなり、安心して動物病院を選ぶことができるでしょう。
基本的な健康診断(血液検査など):5,000円~15,000円
初めて健康診断を受ける若い犬や、毎年の定期チェックとして一般的なのが、この基本的なプランです。
- 主な検査項目:問診、視診、触診、聴診、血液検査(血球計算・基本的な生化学検査)、尿検査、便検査
- このコースでは、全身の基本的な健康状態や、目に見えない内臓機能の異常の有無をスクリーニングすることができます。費用は5,000円から15,000円程度が相場ですが、病院によっては血液検査のみで5,000円前後、身体検査とセットで10,000円前後など、プラン内容に幅があります。
総合的な健康診断(ドッグドック):15,000円~30,000円以上
シニア期に入った犬や、より詳しく全身の状態をチェックしたい場合に推奨されるのが、人間ドックのような総合的な健康診断です。
- 主な検査項目:基本プランの内容 + レントゲン検査、超音波(エコー)検査、血圧測定、心電図検査など
画像診断が加わることで、心臓の大きさや形、内臓の内部構造まで詳しく調べることができ、腫瘍や心臓病などの早期発見につながる可能性が高まります。費用は15,000円から30,000円、さらに詳細な項目(ホルモン検査など)を追加するとそれ以上になることもあります。
健康診断の費用・料金プラン比較表
以下は、一般的な健康診断プランの費用と検査内容の比較表です。動物病院を選ぶ際の参考にしてください。
|
プラン名 |
費用相場 |
主な対象 |
主な検査項目 |
|---|---|---|---|
|
基本プラン |
5,000円 ~ 15,000円 |
若齢~成犬の定期検診 |
身体検査、血液検査(基本)、尿検査、便検査 |
|
総合プラン(ドッグドック) |
15,000円 ~ 30,000円 |
シニア犬、詳細な検査希望 |
基本プラン + レントゲン検査、超音波検査 |
|
オプション検査 |
3,000円 ~ 10,000円/項目 |
特定の病気が心配な場合 |
心電図、眼圧検査、ホルモン検査、アレルギー検査など |
※上記の費用はあくまで目安です。正確な料金は、受診を検討している動物病院に直接お問い合わせください。
費用が変わる要因は?(地域・病院の規模・検査項目)
犬の健康診断の費用は、なぜこれほど幅があるのでしょうか。それにはいくつかの要因が関係しています。
- 地域差:一般的に、都心部の動物病院は地方に比べて地価や人件費が高いため、診療費も高くなる傾向があります。
- 病院の規模や設備:最新の検査機器(CTやMRIなど)を備えている大学病院や二次診療施設などは、高度な検査が可能な分、費用も高額になることがあります。一方、地域密着型の個人病院では、比較的リーズナブルな料金設定の場合もあります。
- 検査項目の数:当然ながら、検査項目が増えれば増えるほど費用は高くなります。特に、レントゲン検査や超音波検査などの画像診断、あるいは特殊なホルモン検査などを追加すると、料金は大きく変わってきます。愛犬の年齢や犬種、気になる症状などを獣医師と相談し、必要な検査を選択することが大切です。
これらの要因を理解した上で、いくつかの病院のプランを比較検討してみるのも良いでしょう。
初めてでも安心!健康診断当日の流れと事前準備

健康診断を受けることが決まったら、次に気になるのは当日の準備や流れですよね。「朝ごはんはあげていいの?」「何か持っていくものはある?」など、初めての場合は特に戸惑うことが多いかもしれません。スムーズで正確な検査を受けるためには、いくつかの事前準備がとても大切になります。
ここでは、健康診断の前日までに準備しておくことのリストや、当日の予約から検査結果の説明までの一般的な流れを解説します。これを読めば、初めての健康診断でも落ち着いて臨むことができるはずです。
健康診断の前に準備しておくことリスト
万全の状態で健康診断に臨むために、以下の点を準備しておきましょう。
- 絶食・絶水:正確な血液検査の結果を得るために、絶食が必要な場合があります。時間は病院の指示に従いましょう。
- 尿・便の採取:できるだけ新鮮なもの(当日の朝が理想)を採取します。採取キットは病院でもらえることもあります。
- 普段の様子のメモ:食事の量、飲水量、お散歩の様子、気になる癖など、普段の愛犬の様子をメモしておくと、問診の際に役立ちます。
- 質問リスト:日頃から気になっていることや、獣医師に聞いておきたいことをリストアップしておくと、聞き忘れを防げます。
- キャリーケースやリード:愛犬が安心して待合室で待てるように、普段使っているものを持参しましょう。
特に絶食や採尿・採便については、かかりつけの動物病院の指示を必ず確認してください。
絶食・絶水は必要?時間はどのくらい?
血液検査では、血糖値や中性脂肪の数値を測定します。食後に検査をするとこれらの数値が高く出てしまい、正確な健康状態を把握できない可能性があるため、一般的に検査前の絶食が推奨されます。
通常は、検査前の8〜12時間程度の絶食を指示されることが多いです。お水については、脱水を防ぐために飲んでも良い場合と、絶水も必要な場合がありますので、必ず事前に動物病院に確認しましょう。
新鮮な尿や便の採取方法
尿は、お散歩の際にペットシーツを裏返してキャッチしたり、紙コップやおたまを使ったりして採取します。便は、排泄後すぐにビニール袋や専用の容器に入れます。
どちらも、できるだけ検査当日の朝に採取した新鮮なものが理想です。もし採取が難しい場合は、無理せず病院で相談しましょう。院内で採尿したり、便秘の場合は浣腸をしたりして対応してくれることもあります。
普段の様子をメモしておく
「最近、水を飲む量が増えた気がする」「散歩の途中で座り込むことが多くなった」など、飼い主さんだけが気づく小さな変化は、病気のサインかもしれません。どんな些細なことでも構いませんので、気になったことをメモしておき、問診の際に獣医師に伝えましょう。スマートフォンで動画を撮っておくのも、様子を正確に伝えるのに非常に有効です。
予約から検査結果の説明までの流れ
健康診断当日の一般的な流れは以下の通りです。
- 予約・受付:事前に電話やインターネットで予約をします。当日は予約時間までに病院へ行き、受付を済ませます。
- 問診・身体検査:獣医師が飼い主さんから普段の様子を聞き取り、視診・触診・聴診などを行います。
- 各種検査:採血やレントゲン撮影など、プランに応じた検査を実施します。多くの場合、愛犬を一度預けて検査を行います。
- 検査結果の説明:全ての検査が終わったら、獣医師から結果について説明があります。当日中に結果がわかる検査もあれば、後日改めて説明を聞きに行く場合もあります。
- 所要時間は検査内容によりますが、半日程度かかることもあります。時間に余裕を持って予定を立てておきましょう。
ペット保険は健康診断の費用に使える?

「もしペット保険に入っていれば、健康診断の費用もカバーされるのでは?」と期待する方もいるかもしれません。しかし、結論から言うと、ほとんどのペット保険では、病気の予防目的である健康診断やワクチン接種などの費用は補償の対象外となっています。ペット保険は、あくまで病気やケガの「治療」にかかった費用を補償するためのものだからです。
ただし、健康診断を受けた結果、何らかの異常が見つかり、その診断を確定するための追加検査(精密検査)や、その後の治療が必要になった場合、その費用は保険の補償対象となるのが一般的です。
例えば、健康診断の血液検査で肝臓の数値に異常が見つかり、原因を特定するために超音波検査を追加で行った場合、その超音波検査の費用は補償される可能性があります。保険会社やプランによって細かい条件は異なるため、ご自身が加入している保険の契約内容を一度確認してみることをおすすめします。
もし健康診断で異常が見つかったら?
健康診断で「異常あり」と告げられたら、誰でも不安な気持ちになりますよね。しかし、大切なのは慌てずに、まずは獣医師の説明を冷静に聞くことです。健康診断の目的は、まさにこうした異常を早期に発見することにあります。
異常が見つかった場合、その後の対応は主に以下のようになります。
- 精密検査:異常の原因を特定するために、より詳細な検査(CT検査や内視鏡検査など)を追加で行うことがあります。
- 治療の開始:病名が確定し、治療が必要と判断された場合は、投薬や食事療法、場合によっては手術などの治療プランが提案されます。
- 経過観察:異常がごく軽度で、すぐに治療を開始する必要がないと判断された場合は、定期的に再検査を行いながら様子を見ること(経過観察)もあります。
どんな結果であっても、獣医師とよく相談し、愛犬にとって最善の選択肢は何かを一緒に考えていくことが重要です。早期発見であればあるほど、治療の選択肢も広がり、愛犬の負担を軽くできる可能性が高まります。
犬の健康診断費用を少しでも抑える3つのポイント
愛犬の健康のためとはいえ、定期的な健康診断の費用は家計にとって決して小さな負担ではありません。少しでも費用を抑えつつ、必要な検査をしっかりと受けさせてあげたいと思うのは当然のことです。
ここでは、犬の健康診断にかかる費用を賢く抑えるための3つのポイントをご紹介します。これらのポイントを知っておくことで、無理なく計画的に愛犬の健康管理を続けていくことができるでしょう。
1. 動物病院のキャンペーンを利用する
動物病院によっては、春や秋のフィラリア予防の時期などに合わせて、「春の健康診断キャンペーン」といった割引キャンペーンを実施していることがあります。こうしたキャンペーン期間中は、通常よりもお得な価格で血液検査などがセットになった健康診断プランを提供していることが多いです。
かかりつけの動物病院のウェブサイトやお知らせをこまめにチェックしたり、待合室のポスターに注意したりして、お得な機会を上手に活用しましょう。
2. 必要な検査項目を獣医師と相談して決める
全ての犬に、最も高額な総合ドックが毎年必要というわけではありません。愛犬の年齢、犬種、過去の病歴、そして飼い主さんが気になっていることなどを獣医師に正直に伝え、どの検査が本当に必要かを相談しましょう。
例えば、まだ若い成犬であれば基本的な血液検査と身体検査で十分な場合もありますし、特定の犬種で心配な病気があれば、その項目だけをオプションで追加するという方法もあります。不要な検査を省くことで、費用を適切にコントロールすることが可能です。
3. 日頃の予防で将来の医療費を考える
これは直接的な割引ではありませんが、最も本質的なコスト削減策です。日頃からバランスの取れた食事や適度な運動、デンタルケアなどを心がけ、病気になりにくい体づくりをサポートすることが、結果的に将来の大きな医療費を防ぐことにつながります。
また、定期的な健康診断で病気を早期発見・早期治療することも、重症化してからの高額な治療費を避けるという意味で、長期的な視点に立った賢い費用管理といえるでしょう。
まとめ:定期的な健康診断で愛犬との健やかな毎日を
この記事では、犬の健康診断の必要性から、適切な頻度、検査内容、そして気になる費用について詳しく解説してきました。言葉で不調を伝えられない愛犬にとって、定期的な健康診断は、隠れた病気を早期に発見し、健やかな一生をサポートするための飼い主さんからの最高のプレゼントです。費用は決して安くはありませんが、病気が重症化してからの治療費や愛犬の身体的な負担を考えれば、予防医療への投資は非常に価値のあるものといえます。
この記事を参考に、ぜひかかりつけの獣医師と相談し、愛犬に合った健康診断プランを立ててみてください。定期的なチェックを習慣にし、大切な家族である愛犬との幸せな毎日を一日でも長く続けていきましょう。
犬の健康診断の費用に関するよくあるご質問(FAQ)
犬の健康診断は、人間でいうと何歳くらいから受けるイメージですか?
犬の1歳は、人間でいうと15歳~17歳くらいに相当します。そのため、生後半年~1歳で受ける最初の健康診断は、人間の高校生が行う健康診断のようなイメージです。その後、年に1回の検診を重ね、7歳頃(人間でいう40代半ば~50代)からシニア期に入るため、半年に1回のより詳細なチェックが推奨されるようになります。
健康診断の結果はすぐにもらえますか?
問診や身体検査、院内で行う血液検査、レントゲン検査などの結果は、当日中に説明を受けられることがほとんどです。ただし、特殊な血液検査項目や外部の検査機関に依頼する検査については、結果が出るまでに数日から1週間程度かかる場合があります。
健康診断の費用は医療費控除の対象になりますか?
残念ながら、人間を対象とした制度であるため、ペットの医療費は医療費控除の対象にはなりません。健康診断の費用だけでなく、病気やケガの治療費も対象外となります。
複数の動物病院で料金を比較しても良いのでしょうか?
はい、問題ありません。健康診断は自由診療のため、病院によって料金やプラン内容が異なります。いくつかの動物病院のウェブサイトを見たり、電話で問い合わせたりして、料金や検査内容、病院の雰囲気などを比較検討し、ご自身と愛犬に合った病院を選ぶことをおすすめします。

