犬の耳掃除|正しい手順と耳垢チェックリスト・気を付けるべき犬種と注意点

犬の耳掃除|正しい手順と耳垢チェックリスト・気を付けるべき犬種と注意点

Table of Contents

  • 犬の耳掃除は、外耳炎などのトラブル予防に重要ですが、健康な耳なら頻繁に行う必要はありません。
  • 自宅でのケアは、見える範囲の汚れをイヤークリーナーで優しく拭き取るのが基本です。
  • 綿棒を奥に入れたり、人間用の製品を使ったりするのは絶対に避けるべきNG行為です。
  • 耳垢が黒い、臭いがきつい、耳を頻繁にかくなどのサインは病気の可能性も。すぐに動物病院へ相談しましょう。
  • 愛犬が嫌がる場合は無理せず、少しずつ慣らすトレーニングやプロに任せる選択も大切です。

愛犬を家族に迎え、日々のケアについて学び始めると「耳掃除」の必要性を耳にすることもあるでしょう。しかし、初めてだと「どれくらいの頻度でやればいいの?」「やり方が分からなくて、愛犬を傷つけてしまったらどうしよう…」と不安に感じてしまいますよね。大切な愛犬だからこそ、正しい知識で安全にケアしてあげたい、そう思うのは当然のことです。

この記事では、そんな心配性の初心者飼い主さんでも安心して取り組める、犬の耳掃除の基本的な知識から、獣医師も推奨する正しい手順、そして絶対にやってはいけない注意点まで、一つひとつ丁寧に解説します。この記事を読めば、自信を持って愛犬の耳の健康管理ができるようになりますよ。

犬の耳掃除は必要?適切な頻度と目的を解説

犬の耳掃除は、愛犬の健康を守るために大切なケアの一つです。しかし、すべての犬に毎日必要なわけではありません。犬の耳には本来、汚れを自然に外へ排出する「自浄作用」が備わっています。そのため、健康な状態であれば、過度な耳掃除はむしろ耳の皮膚を傷つけ、トラブルの原因になることも。

大切なのは、愛犬の耳の状態を正しく理解し、必要なときに適切なケアをしてあげることです。ここでは、なぜ耳掃除が重要なのか、そしてどれくらいの頻度が理想的なのか、基本的な目的と合わせて解説します。

耳の健康維持になぜ耳掃除が大切なのか

犬の耳掃除が大切な一番の理由は、外耳炎をはじめとする耳の病気を予防するためです。犬の外耳道はL字型に曲がっており、湿気がこもりやすく、細菌や酵母菌(マラセチアなど)が繁殖しやすい環境です。
汚れが溜まると、これらの菌が増殖し、かゆみや痛み、悪臭を伴う炎症を引き起こすことがあります。定期的に耳の状態をチェックし、必要に応じて汚れを取り除くことで、耳の中を清潔に保ち、病気のリスクを減らすことができます。

適切な耳掃除の頻度は?やりすぎは逆効果に

健康な犬の場合、耳掃除の頻度は月に1〜2回程度が目安とされています。ただし、これはあくまで一般的な基準です。垂れ耳の犬種やアレルギー体質の犬は、耳が蒸れやすく汚れも溜まりやすいため、もう少し頻繁なケアが必要になることもあります。
逆に、耳が汚れていないのに頻繁に掃除をすると、耳の皮膚を守るために必要な皮脂まで取り除いてしまい、乾燥や炎症を引き起こす原因になります。愛犬の耳を定期的に観察し、「汚れてきたな」と感じたタイミングでケアするのが最適です。やりすぎは禁物と覚えておきましょう。

耳掃除を始める前に|愛犬の耳の健康チェックと準備するもの

さあ、実際に耳掃除を始めよう!と思っても、いきなりイヤークリーナーを手に取るのは少し待ってください。まずは愛犬の耳が今どんな状態なのかをしっかり観察することが大切です。もし赤みや腫れなど異常が見られる場合は、自宅でのケアが症状を悪化させてしまう可能性もあります。安全にケアを行うためには、事前の健康チェックと、必要なものをきちんと揃えておく準備が欠かせません。

ここでは、耳掃除を始める前に必ず確認したいチェックポイントと、自宅でのお手入れに必要なアイテムをリストアップしてご紹介します。

まずは耳の状態をチェックするポイント

耳掃除の前には、必ず愛犬の耳の中を目で見て、臭いを嗅いで確認しましょう。健康な耳は、ほんのり皮膚の香りがする程度で、ピンク色をしています。以下のポイントに当てはまるものがないか、優しく耳をめくってチェックしてみてください。

  • 強い臭いはないか?(酸っぱい、ツンとするような臭いなど)
  • 耳の皮膚が赤くなっていないか?
  • 耳垢の色や量は正常か?(黒や黄色の耳垢が大量にないか)
  • 耳を触られるのを極端に嫌がらないか?
  • 頻繁に頭を振ったり、耳をかいたりしていないか?

これらのサインが見られる場合は、すでに炎症が起きている可能性があります。無理に掃除をせず、まずは動物病院で獣医師に相談しましょう。

自宅での耳掃除に必要なものリスト

自宅で安全に耳掃除を行うために、以下のものを準備しましょう。人間用の製品は犬の皮膚には刺激が強すぎるため、必ず犬専用のものを選んでください。

  • 犬用イヤークリーナー(洗浄液):アルコールフリーで低刺激性のものがおすすめです。
  • コットンまたはガーゼ:耳の中の水分や汚れを拭き取るために使います。柔らかく、繊維が耳に残りづらいものを選びましょう。
  • ご褒美用のおやつ:耳掃除をポジティブな経験にするための大切なアイテムです。
  • タオル:犬がブルブルと頭を振ったときに、洗浄液が飛び散るのを防ぎます。

綿棒は耳の奥の汚れを押し込んだり、鼓膜を傷つけたりする危険があるため、基本的には使わないようにしましょう。見える範囲の汚れを拭う程度なら使用できますが、初心者の方はコットンを使う方が安全です。

【初心者でも安心】自宅でできる犬の耳掃除の正しい手順

準備が整ったら、いよいよ実践です。初めての飼い主さんでも安心して行えるように、犬の耳掃除の正しい手順をステップごとに詳しく解説します。大切なのは、無理強いせず、愛犬がリラックスできる状態で行うことです。
「耳掃除は怖くない、気持ちいいことなんだ」と愛犬に思ってもらうことが、今後のケアをスムーズにするための鍵となります。焦らず、一つひとつのステップを丁寧に進めていきましょう。もし途中で愛犬が強く嫌がるようなら、その日は無理せず中断し、また日を改めて挑戦することも大切です。

ステップ1:愛犬をリラックスさせる

まず、愛犬が落ち着ける静かな場所を選びましょう。飼い主さんがリラックスしていることも大切です。緊張が愛犬に伝わってしまいますからね。優しく声をかけながら、体を撫でてあげましょう。
すぐには始めず、まずは耳や顔周りを触る練習から。触らせてくれたら、たくさん褒めておやつをあげます。これを繰り返すことで、「耳を触られる=良いことがある」と学習してくれます。愛犬がリラックスしているのを確認してから、次のステップに進みましょう。

ステップ2:耳の入り口(耳介)を優しく拭く

本格的な洗浄の前に、まずは見える範囲の汚れからきれいにします。コットンにイヤークリーナーを少量染み込ませ、耳の入り口や、ヒダが多くて汚れが溜まりやすい耳介(じかい)を優しく拭いてあげましょう。このとき、ゴシゴシと強くこすらないように注意してください。皮膚を傷つけないよう、あくまで「撫でるように」拭くのがポイントです。このステップだけでも、耳の表面的な汚れはかなりきれいになります。

ステップ3:イヤークリーナーを耳の中に注ぐ

ここが少し勇気のいるステップかもしれません。愛犬の耳を優しく持ち上げ、耳の穴が見えるようにします。そして、イヤークリーナーのボトルを耳の穴に近づけ、クリーナーをたっぷりと注ぎ入れます。量が少ないと奥の汚れが浮き上がってこないので、耳の穴から液体が溢れるくらいが目安です。多くの犬は液体が入る感覚に驚くので、しっかりと保定してあげましょう。怖がらせないように、落ち着いて素早く行うのがコツです。

ステップ4:耳の付け根をマッサージして汚れを浮かせる

イヤークリーナーを注いだら、耳の穴を塞ぐように耳を閉じ、耳の付け根(軟骨部分)を優しくクチュクチュと揉み込みます。「クチュクチュ」という音が聞こえれば、液体が中の汚れとしっかり混ざっている証拠です。30秒ほどマッサージすることで、耳の奥にこびりついた耳垢や汚れが浮き上がってきます。

ステップ5:出てきた汚れと液体を拭き取る

マッサージが終わったら、一度手を離します。すると、犬はブルブルッと頭を振って、中の液体と浮き上がった汚れを外に出そうとします。タオルで周りが汚れないようにガードしてあげましょう。その後、耳の入り口に出てきた汚れと残った液体を、きれいなコットンやガーゼで優しく拭き取ります。これで片耳は完了です!たくさん褒めておやつをあげ、少し休憩してから反対側の耳も同じように行いましょう。

愛犬が耳掃除を嫌がる・暴れるときの対処法

手順通りに進めようとしても、愛犬が耳掃除を嫌がって暴れてしまうことは、多くの飼い主さんが経験する悩みです。「うちの子は耳掃除が苦手だから…」と諦めてしまう前に、試せる対処法がいくつかあります。犬が耳掃除を嫌がるのには、過去の嫌な経験や、単純に耳を触られることへの不慣れなど、理由があります。その理由に寄り添い、少しずつ慣らしていくことが大切です。

ここでは、愛犬が耳掃除を受け入れてくれるようになるためのトレーニング方法や、ケアをポジティブな時間に変えるコツをご紹介します。

耳に触られることに慣れさせるトレーニング

いきなり耳掃除をしようとせず、まずは「耳に触られること」自体に慣れてもらうことから始めましょう。リラックスしているときに、まずは背中や首筋など、愛犬が触られて喜ぶ場所を撫でます。
そこから少しずつ耳の周り、そして耳たぶへと触れる範囲を広げていきます。少しでも触らせてくれたら、すぐに褒めて特別なおやつをあげましょう。「耳を触られると良いことがある」という経験を積み重ねることが重要です。これを毎日少しずつ、根気よく続けてみてください。

おやつや褒め言葉でポジティブな印象に

耳掃除のすべての工程を「ご褒美」と結びつけることが成功の鍵です。イヤークリーナーのボトルを見せたらおやつ、コットンで耳を拭いたらおやつ、というように、一つひとつのステップごとにおやつをあげて、たくさん褒めてあげましょう。
これにより、耳掃除の道具や行為そのものに対する警戒心が薄れ、「これから楽しいことが始まる」というポジティブな印象に変わっていきます。ペースト状のおやつを舐めさせている間にさっと行うのも効果的です。

無理は禁物!プロに任せる選択肢も

様々な工夫をしても、どうしても暴れてしまって安全にケアができない場合や、飼い主さん自身が不安でうまくできない場合は、決して無理をする必要はありません。無理強いは愛犬にとって大きなストレスになり、飼い主さんとの信頼関係を損なうことにもなりかねません。
そんなときは、動物病院やトリミングサロンなど、プロにお願いするのも賢明な選択です。専門家は犬の扱いに慣れているため、安全かつ手際よく耳掃除を行ってくれます。

耳垢の色や臭いでわかる!犬の耳のトラブルサイン

愛犬の耳垢は、耳の健康状態を教えてくれる大切なバロメーターです。普段から色や量、臭いをチェックする習慣をつけておくと、病気のサインを早期に発見することができます。健康な耳垢は、量が少なく、少しカサカサしているか、わずかに湿っている程度です。

しかし、色や臭いに異常が見られる場合は、外耳炎や耳ダニなどのトラブルが隠れている可能性があります。ここでは、正常な耳垢と注意が必要な耳垢の違い、そして危険なサインをまとめたチェックリストをご紹介します。

正常な耳垢と注意が必要な耳垢の違い

まず、正常な耳垢の状態を把握しておくことが大切です。健康な犬の耳垢は、一般的に白っぽい、または薄い黄色で、量は多くありません。臭いもほとんど無臭か、わずかに甘いような香りがする程度です。

これに対して、注意が必要な耳垢には特徴があります。例えば、黒くてコーヒーの粉のような耳垢、黄色や緑色のドロドロした耳垢、ワックス状のベタベタした茶色い耳垢などは、何らかの異常を示唆しています。臭いも、酸っぱいような、腐敗したような強い悪臭がすることがあります。

危険な耳垢・症状のチェックリスト(比較表)

以下の表は、耳垢の状態と、考えられる耳のトラブルをまとめたものです。もし愛犬に当てはまる項目があれば、自己判断でケアを続けず、早めに動物病院を受診してください。

耳垢の状態

主な症状

考えられるトラブル

黒く乾燥した、コーヒーかすのような耳垢

激しいかゆみ、頭を頻繁に振る

耳ダニ(耳疥癬)の可能性

黄色〜緑がかった、湿った耳垢(膿のような臭い)

強いかゆみ、痛み、耳の赤み・腫れ

細菌感染(ブドウ球菌など)の可能性

茶色〜黒っぽい、ベタベタした耳垢(甘酸っぱい臭い)

かゆみ、耳の赤み、フケが多い

マラセチア(酵母菌)の増殖の可能性

黄色っぽく、ワックス状のベタベタした耳垢

かゆみ、皮膚のベタつき、フケ

脂漏症(しろうしょう)など体質的な問題の可能性

獣医師からのアドバイス:耳のトラブルは、一度発症すると治りにくく、再発しやすい傾向があります。特に外耳炎は慢性化しやすいため、初期段階での発見と適切な対応が非常に重要です。耳垢や行動に少しでも異変を感じたら、迷わず専門家である獣医師に相談してください。

これだけは守って!犬の耳掃除で絶対にしてはいけないNG行為

愛犬の耳をきれいにしたいという思いから、ついやってしまいがちな行動が、実は耳を傷つけ、トラブルを悪化させる原因になることがあります。良かれと思ってしたことが裏目に出ないよう、犬の耳掃除における「絶対にしてはいけないNG行為」をしっかりと理解しておくことが重要です。犬の耳は非常にデリケートな器官です。

ここでは、特に初心者の飼い主さんが注意すべき4つのポイントを具体的に解説します。これらのルールを守ることが、愛犬の耳の健康を守る第一歩です。

NG行為1:綿棒を耳の奥まで入れる

人間が耳掃除に使う綿棒を、犬の耳の奥まで入れるのは絶対にやめてください。犬の耳道はL字型に曲がっているため、綿棒では奥の汚れをうまく掻き出せず、逆に耳垢を鼓膜の近くまで押し込んでしまう危険性があります。最悪の場合、鼓膜を傷つけてしまうことにもなりかねません。

NG行為2:人間用の消毒液やウェットティッシュを使う

アルコール成分が含まれている人間用の消毒液やウェットティッシュは、犬のデリケートな耳の皮膚には刺激が強すぎます。これらを使用すると、皮膚のバリア機能を壊し、かえって炎症を引き起こす原因になります。耳掃除には、必ず犬専用の低刺激なイヤークリーナーを使用してください。

NG行為3:耳毛を無理に抜く

耳の中に毛が生えている犬種(トイ・プードルなど)の場合、耳毛が通気性を悪くすることがあります。しかし、自宅で無理に耳毛を抜くのは避けましょう。毛を抜く行為は皮膚に強い刺激を与え、毛穴から細菌が入って炎症を起こすリスクがあります。耳毛の処理は、動物病院やトリミングサロンで専門家にお願いするのが安全です。

NG行為4:耳の中をゴシゴシ強くこする

汚れが気になるからといって、コットンやガーゼで耳の中をゴシゴシと強くこするのはやめましょう。耳の皮膚は非常に薄くデリケートなため、強い摩擦は簡単に傷をつけてしまいます。その小さな傷から細菌が侵入し、外耳炎の原因となることがあります。汚れは「拭き取る」のではなく「浮かせて取り除く」という意識が大切です。

こんなときは動物病院へ|受診を検討すべき症状

自宅での耳掃除は、あくまで健康な耳の状態を維持するための予防的なケアです。もし愛犬にこれから挙げるような症状が見られる場合は、すでに何らかの病気が進行している可能性があります。自己判断でケアを続けると、かえって症状を悪化させてしまう危険性があります。
少しでも「いつもと違うな」と感じたら、迷わず動物病院を受診しましょう。早期発見・早期対応が、愛犬を苦痛から早く解放してあげるための最善の方法です。以下に、受診を検討すべき具体的な症状をリストアップします。

  • 耳から強い悪臭がする
  • 耳垢の色が黒、黄色、緑色など、明らかに異常である
  • 耳を触ると痛がって鳴く、または怒る
  • 頭を執拗に振ったり、床や家具に耳をこすりつけたりする
  • 耳の周りが赤く腫れている、またはただれている
  • 首を傾けたままにしている(斜頸)
  • 耳から膿のような液体が出ている

これらのサインは、外耳炎だけでなく、中耳炎や内耳炎、アレルギー、耳ダニなど、様々な病気の可能性があります。獣医師による正確な診断と、適切な処置が必要です。

【犬種別】特に耳のケアが必要な犬と注意点

すべての犬に耳のトラブルが起こる可能性がありますが、犬種によってはその体の構造から、特に耳のケアに注意が必要な子たちがいます。例えば、耳が垂れている犬種や、耳の中に毛が多く生えている犬種は、耳の中が蒸れやすく、トラブルが起こりやすい傾向にあります。自分の愛犬がどのタイプに当てはまるかを知り、その特徴に合わせたケアを心がけることで、より効果的に耳の健康を維持することができます。

ここでは代表的な犬種を挙げながら、それぞれの注意点を解説します。

垂れ耳の犬種(ゴールデン・レトリバー、ダックスフンドなど)

ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ダックスフンド、キャバリア、アメリカン・コッカー・スパニエルなどの垂れ耳の犬種は、耳が蓋の役割をしてしまい、耳道内の通気性が悪くなりがちです。そのため湿気がこもりやすく、細菌やマラセチア菌が繁殖しやすい環境です。
シャンプー後や水遊びの後などは特に注意が必要で、耳の入り口をしっかり乾かし、定期的に耳をめくって中の状態をチェックする習慣をつけましょう。

耳毛が多い犬種(トイ・プードル、シーズーなど)

トイ・プードル、ミニチュア・シュナウザー、シーズー、マルチーズなどの犬種は、耳道内に毛が生えやすい特徴があります。この耳毛が伸びすぎると、通気性を妨げるだけでなく、耳垢や汚れが絡みつきやすくなります。これにより、炎症が起きやすくなるため、定期的な耳毛の処理が必要です。
ただし、前述の通り、自宅で無理に抜くのは危険です。動物病院やトリミングサロンで、プロに適切な処理をしてもらうことをおすすめします。

犬の耳掃除に関するよくあるご質問(FAQ)

ここでは、犬の耳掃除に関して飼い主さんからよく寄せられる質問にお答えします。

子犬の耳掃除はいつから始めればいいですか?

 

子犬の耳掃除は、お家に迎えて環境に慣れてきた頃から、少しずつ耳に触られることに慣らすトレーニングとして始めると良いでしょう。本格的なイヤークリーナーを使った掃除は、生後3ヶ月以降、または獣医師やブリーダーに相談してから始めるのが安心です。まずは優しく触れることからスタートし、ポジティブな経験をさせてあげることが大切です。

 

シャンプーのときに一緒に耳掃除をしてもいいですか?

 

シャンプーの際に耳にお湯やシャンプー剤が入ると、外耳炎の原因になることがあります。そのため、シャンプー前に耳掃除を済ませておくか、シャンプーとは別の日に行うのがおすすめです。シャンプーをする際は、耳に水が入らないよう、コットンを軽く詰めるなどの工夫をすると良いでしょう。もし水が入ってしまった場合は、シャンプー後によく乾かしてあげてください。

 

イヤークリーナーは毎回使った方がいいですか?

 

いいえ、毎回必ず使う必要はありません。耳がほとんど汚れていない場合は、乾いたコットンで優しく拭う程度で十分なこともあります。イヤークリーナーは、耳垢が溜まっているときや、少し臭いが気になるときなど、洗浄が必要だと判断した場合に使用しましょう。健康な耳に過度な洗浄は、かえって皮膚のバリア機能を損なう可能性があるため注意が必要です。

 

耳掃除のあと、耳の中を乾かす必要はありますか?

 

耳掃除のあと、犬自身が頭をブルブルと振ることで、中の液体はほとんど外に出ます。その後、耳の入り口に出てきた液体と汚れをコットンで拭き取れば、自然に乾燥するので、ドライヤーなどで無理に乾かす必要はありません。ドライヤーの熱風はデリケートな耳の皮膚を傷つける恐れがあるため、使用は避けてください。

 

 

まとめ

犬の耳掃除は、愛犬の健康を守るための大切なケアですが、正しい知識を持って行うことが何よりも重要です。この記事で解説したポイントを最後におさらいしましょう。

  • ケアの基本:健康な耳なら頻度は月1〜2回。見える範囲の汚れを優しく拭き取る。
  • 正しい手順:リラックスさせ、イヤークリーナーで汚れを浮かせてから拭き取る。
  • 絶対NGなこと:綿棒を奥に入れる、人間用製品の使用、強くこすることは避ける。
  • 異常のサイン:強い臭い、黒い耳垢、かゆがる様子は病気の可能性。すぐに動物病院へ。

初めてのうちは不安かもしれませんが、焦らず、愛犬のペースに合わせて少しずつ慣らしていきましょう。日頃から耳の状態をチェックする習慣をつけることで、愛犬の小さな変化にも気づけるようになります。正しいケアで、愛犬の耳の健康をしっかりと守ってあげてくださいね。

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