犬の毛が抜けて皮膚が見えるのは病気?原因と見分け方、対策を解説
Table of Contents
- まずはセルフチェック!これって心配ない抜け毛?
- 犬の正常な「換毛期」とは
- 【比較表】心配な脱毛との見分け方チェックリスト
- もしかして病気?皮膚が見える脱毛で考えられる主な原因
- 「かゆみ」や「赤み」を伴う場合
- 原因①:アレルギー性皮膚炎など
- 原因②:細菌や真菌による感染症
- 原因③:ノミ・ダニなどの外部寄生虫
- 「かゆみ」があまり見られない場合
- 原因④:ホルモンバランスの乱れ(内分泌疾患)
- 原因⑤:ストレスなどの心因性要因
- 動物病院へ行くべき?受診のタイミングと診断の流れ
- こんな症状が見られたら早めに受診を
- 動物病院ではどんな検査をするの?
- 自宅でできる!愛犬の皮膚と被毛の健康をサポートする日常ケア
- 基本のブラッシングとシャンプーのコツ
- 食事から皮膚の健康をサポートする考え方
- ストレスを減らす環境づくり
- まとめ
- 「犬の毛が抜けて皮膚が見える」ことに関するよくあるご質問
- 犬の抜け毛には、自然な「換毛期」と病気のサインである「脱毛」の2種類があります。
- かゆみ、赤み、フケ、部分的な脱毛などが見られる場合は、病気の可能性が高いため注意が必要です。
- 脱毛の原因はアレルギー、感染症、ホルモン異常、ストレスなど多岐にわたるため、自己判断は禁物です。
- 普段と違う脱毛に気づいたら、早めに動物病院を受診し、獣医師の診断を受けることが大切です。
- 日頃のブラッシングや食事管理、ストレスのない環境づくりが、愛犬の皮膚と被毛の健康をサポートします。
愛犬の毛がいつもより多く抜けて、地肌が見えてくると「もしかして病気なのかな?」と心配になりますよね。特に初めて犬を飼う方にとっては、その抜け毛が自然なものなのか、それとも動物病院へ行くべきサインなのか、判断に迷うことも多いでしょう。
この記事では、そんな飼い主さんの不安に寄り添い、心配のない抜け毛と注意すべき脱毛の違いを分かりやすく解説します。考えられる原因から、動物病院を受診するタイミング、ご自宅でできる日常のケア方法まで、愛犬の健康を守るための知識を一緒に確認していきましょう。
まずはセルフチェック!これって心配ない抜け毛?

愛犬の抜け毛が増えると、すぐに病気を心配してしまいがちですが、まずは落ち着いて状態を確認することが大切です。犬の抜け毛には、生理現象として起こる心配のないものと、何らかのトラブルが原因で起こる注意すべきものがあります。この違いを見極めることが、適切な対応への第一歩となります。
まずは、愛犬の抜け毛がどちらのタイプに近いか、セルフチェックしてみましょう。
犬の正常な「換毛期」とは
多くの犬には、季節の変わり目に毛が生え変わる「換毛期(かんもうき)」があります。これは、気温の変化に対応するために、被毛の量を調整する自然な生理現象です。特に、硬い毛(オーバーコート)と柔らかい毛(アンダーコート)の二層構造を持つ「ダブルコート」の犬種、例えば柴犬やゴールデン・レトリバーなどは、春と秋に驚くほど大量の毛が抜けます。
この時期の抜け毛は、体全体から均一に抜けるのが特徴で、かゆみや赤みといった皮膚トラブルを伴うことは通常ありません。換毛期は数週間から1ヶ月ほど続くことが一般的ですが、これは病気ではないので安心してください。
【比較表】心配な脱毛との見分け方チェックリスト
愛犬の抜け毛が、正常な換毛期によるものか、それとも病的な脱毛なのかを見分けるためのチェックリストです。以下の項目を参考に、愛犬の状態を観察してみてください。当てはまる項目が多い場合は、動物病院への相談を検討しましょう。
|
チェック項目 |
正常な換毛期 |
注意が必要な脱毛 |
|---|---|---|
|
抜け方 |
体全体から均一に抜ける |
特定の部分だけが円形やまだらに抜ける、左右対称に抜ける |
|
皮膚の状態 |
健康的で、特に変化はない |
赤み、湿疹、フケ、かさぶた、黒ずみ、ベタつきがある |
|
愛犬の様子 |
普段と変わらず元気 |
体を頻繁にかく、舐める、噛む、床にこすりつける |
|
毛の状態 |
ツヤがあり、健康的な毛が抜ける |
毛がパサパサしている、切れやすい、毛が薄く地肌が透けて見える |
|
その他の症状 |
特になし |
元気がない、食欲がない、体重の増減がある |
もしかして病気?皮膚が見える脱毛で考えられる主な原因

換毛期とは明らかに様子が違う脱毛が見られる場合、その背景には何らかの病気が隠れている可能性があります。犬の毛が抜けて皮膚が見える状態を引き起こす原因は多岐にわたります。
ここでは、考えられる主な原因を「かゆみ」の有無で大きく2つに分けて解説します。愛犬の症状と照らし合わせながら、原因を探るヒントにしてください。ただし、これらはあくまで可能性であり、正確な診断は獣医師に委ねることが重要です。
「かゆみ」や「赤み」を伴う場合
愛犬が体をかゆがったり、皮膚が赤くなっていたりする場合、脱毛は皮膚の炎症によって引き起こされている可能性が高いです。犬はかゆみを感じると、その部分を掻いたり舐めたりするため、物理的な刺激で毛が抜けてしまいます。このような症状が見られる場合、主に以下のような原因が考えられます。
原因①:アレルギー性皮膚炎など
食べ物(食物アレルギー)や、ハウスダスト・花粉など環境中の物質(アトピー性皮膚炎)が原因でアレルギー反応が起こり、皮膚に強いかゆみや炎症を引き起こすことがあります。目の周り、口の周り、耳、足先、お腹などに症状が出やすいのが特徴です。原因となるアレルゲンを特定し、食事管理や生活環境の改善、お薬による体質管理などで症状の軽減をサポートします。
原因②:細菌や真菌による感染症
皮膚のバリア機能が低下すると、ブドウ球菌などの細菌が増殖して「膿皮症(のうひしょう)」を引き起こしたり、マラセチアという真菌(カビの一種)が増殖して「マラセチア皮膚炎」を発症したりすることがあります。これらは強いかゆみやフケ、独特の臭いを伴うことが多いです。
また、皮膚糸状菌症(リングワーム)というカビによる感染症では、円形の脱毛が見られることもあります。
原因③:ノミ・ダニなどの外部寄生虫
ノミやマダニ、疥癬(かいせん)、ニキビダニ(アカラス)などが皮膚に寄生することで、激しいかゆみと脱毛を引き起こします。特にノミの唾液に対するアレルギー(ノミアレルギー性皮膚炎)は、腰のあたりに強い症状が出やすいです。
定期的な駆虫薬の投与で予防することが非常に重要です。寄生虫が原因の場合、同居している他のペットにうつる可能性もあるため注意が必要です。
「かゆみ」があまり見られない場合
愛犬がかゆがっている様子はないのに、毛が薄くなったり、地肌が見えたりすることもあります。このような「かゆみを伴わない脱毛」は、体の内部、特にホルモンバランスの乱れや精神的な要因が関係している可能性があります。脱毛が左右対称に起こるなど、特徴的な症状が見られることもあります。
原因④:ホルモンバランスの乱れ(内分泌疾患)
甲状腺ホルモンの分泌が低下する「甲状腺機能低下症」や、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」などの内分泌疾患が原因で脱毛が起こることがあります。
これらの病気では、体の左右対称に毛が抜けることが多く、かゆみはあまりありません。脱毛のほか、元気がない、水をたくさん飲む、お腹が膨れるなどの全身症状を伴うこともあります。
原因⑤:ストレスなどの心因性要因
引っ越しや家族構成の変化、長時間の留守番など、環境の変化によるストレスが原因で、犬が自分の体を過剰に舐め続けてしまい(舐性皮膚炎)、その部分の毛が抜けてしまうことがあります。特に足先などを執拗に舐める行動が見られます。
また、原因がはっきりと特定できない脱毛症(アロペシアXなど)もあり、ポメラニアンなどの特定の犬種に多く見られることが知られています。
動物病院へ行くべき?受診のタイミングと診断の流れ

愛犬の脱毛が「心配な脱毛チェックリスト」に当てはまる場合や、原因に心当たりがない場合は、自己判断せずに動物病院を受診することが大切です。特に、脱毛以外にも愛犬の様子に変化が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
ここでは、受診の目安となる症状や、動物病院で一般的に行われる検査の流れについて解説します。事前に流れを知っておくことで、飼い主さんの不安も少し和らぐはずです。
こんな症状が見られたら早めに受診を
ただの抜け毛と軽く考えず、以下のような症状が見られたら、病気が隠れているサインかもしれません。できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。受診の際は、いつから症状が始まったか、他に変わった様子はないかなどをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。
- 脱毛部分の皮膚に赤み、発疹、フケ、かさぶたがある
- 体を頻繁に掻いたり、舐めたり、噛んだりしている
- 脱毛が部分的(円形など)であったり、左右対称であったりする
- 急に抜け毛の量が著しく増えた
- 脱毛以外に、元気がない、食欲不振、多飲多尿、体重の変化などが見られる
- 皮膚から嫌な臭いがする
動物病院ではどんな検査をするの?
動物病院では、まず飼い主さんから詳しい話を聞く「問診」と、全身の状態を観察する「視診・触診」を行います。この時、脱毛の範囲や皮膚の状態を詳しくチェックします。その後、原因を特定するために、必要に応じて以下のような皮膚科学的検査が行われることが一般的です。
- 抜毛検査:毛を数本抜いて、毛根の状態を顕微鏡で観察します。
- 皮膚掻爬(そうは)検査:皮膚の表面を少し削り取り、疥癬やニキビダニなどがいないか顕微鏡で確認します。
- スタンプ検査:スライドガラスを皮膚に押し当てて細胞を採取し、細菌や真菌がいないか調べます。
- 血液検査:ホルモンバランスの乱れ(内分泌疾患)や、内臓の病気がないかなどを確認します。
これらの検査結果を総合的に判断し、獣医師が診断を下します。
自宅でできる!愛犬の皮膚と被毛の健康をサポートする日常ケア

動物病院での診断やアドバイスに基づいた対応が最も重要ですが、日々の生活の中で飼い主さんができることもたくさんあります。適切なホームケアは、愛犬の皮膚と被毛の健康を維持し、トラブルの予防や早期発見につながります。
ここでは、毎日の生活に取り入れやすい3つのケアのポイントをご紹介します。愛犬とのコミュニケーションを深めながら、楽しく続けていきましょう。
基本のブラッシングとシャンプーのコツ
定期的なブラッシングは、抜け毛を取り除き、皮膚の血行を促進する大切なケアです。被毛の健康状態や皮膚の異常を早期に発見する機会にもなります。特に柴犬のようなダブルコートの犬種は、換毛期にこまめなブラッシングが欠かせません。
シャンプーは、犬用の低刺激なものを使い、洗いすぎに注意しましょう。月1〜2回程度が目安ですが、皮膚の状態によって頻度は変わるため、獣医師に相談すると安心です。
食事から皮膚の健康をサポートする考え方
健康な皮膚と被毛は、バランスの取れた栄養から作られます。特に、皮膚のバリア機能をサポートするとされるオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸、良質なたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを適切に摂取することが大切です。
フードが愛犬の体質に合っているかを見直してみるのも良いでしょう。食物アレルギーが疑われる場合は、獣医師の指導のもとでアレルギー対応の療法食を試すこともあります。
ストレスを減らす環境づくり
犬も人間と同じようにストレスを感じ、それが体調に影響することがあります。特にトイプードルのような賢く繊細な犬種は、環境の変化に敏感なことがあります。愛犬が安心して過ごせる静かな場所を確保し、適度な運動や遊びの時間を取り入れて、心身ともにリフレッシュさせてあげましょう。
長時間の留守番が続く場合は、おもちゃを用意するなど、退屈させない工夫もストレス軽減のサポートになります。
まとめ
愛犬の毛が抜けて皮膚が見える時、それは自然な換毛期の場合もあれば、病気のサインである可能性もあります。大切なのは、飼い主さんが日頃から愛犬の様子をよく観察し、普段との違いに気づいてあげることです。
かゆみや赤み、部分的な脱毛など、気になる症状が見られたら、決して自己判断せず、早めに動物病院を受診してください。
獣医師による正確な診断とアドバイスが、愛犬を苦しみから救う一番の近道です。日々の適切なケアと深い愛情で、愛犬の皮膚と被毛の健康をサポートしていきましょう。
「犬の毛が抜けて皮膚が見える」ことに関するよくあるご質問
ここでは、飼い主さんからよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 高齢になると毛が薄くなるのは普通のことですか?
A1. 加齢に伴い、毛の密度が低くなったり、毛周期が長くなったりして、全体的に毛が薄くなることはあります。しかし、急激な変化や地肌が広範囲で見えるような場合は、甲状腺機能低下症などの病気が隠れている可能性も考えられるため、一度動物病院で相談することをおすすめします。
Q2. 脱毛に良いとされるサプリメントは与えてもいいですか?
A2. 皮膚や被毛の健康維持をサポートするオメガ脂肪酸などのサプリメントはありますが、まずは脱毛の原因を特定することが最優先です。病気が原因の場合、サプリメントだけでは対応できません。必ず獣医師に相談・診断を受けた上で、補助的に使用するとよいでしょう。
Q3. 脱毛している部分の毛はまた生えてきますか?
A3. 脱毛の原因によります。アレルギーや感染症などが原因で一時的に抜けている場合は、原因に対する適切な対応を行えば、再び毛が生えてくることがほとんどです。しかし、毛包(毛を作る組織)が破壊されてしまっている場合や、一部のホルモン疾患、遺伝的な要因の場合は、元通りに生えそろわないこともあります。
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