老犬の毛が薄い・毛艶が悪い・毛並みを改善するための対策
シニア期に入ると被毛の色が白くなったり、毛質が変わったりすることで、愛犬の老化を感じることがあるでしょう。犬の毛並みや毛艶が悪くなる原因はさまざまありますが、そのひとつは加齢によるものです。
この記事では、老犬の毛並みが悪くなる原因と病気の場合の見分け方、毛並み・毛艶を改善するための対策を解説します。
老犬の毛並みや毛艶が悪くなる原因とは?
犬も歳をとると、毛が細くなったりパサついたり、毛並みが悪くなったりといった変化が出ます。毛並み・毛艶は老犬になるとなぜ悪くなるのか、その原因を解説します。
老化
シニアになると、皮膚の水分量が不足し弾力を失ってしまいます。白髪も増え、被毛にパサつきがでるなど毛質も変化します。毛が薄くなったと感じるのは、皮膚の新陳代謝が悪くなり、新しい毛の成長が抜け毛に追いつかないためです。乾燥しやすくなるので、フケや抜け毛も増えてきます。
血行不良
老犬になると運動量が減り、寝ている時間が長くなります。筋力も衰え、血行不良を起こしている犬も多いでしょう。巡りが悪くなると、健康な皮膚や被毛を育てるための、栄養や酸素が行き届かなくなってしまいます。
フードが合わない
皮膚や被毛をつくる栄養素が不足している場合があります。市販のドッグフードは総合栄養食のため必要な栄養素は含まれていますが、老犬になると消化吸収機能が低下してしまい十分な栄養を吸収できなくなっている場合があります。シニア用のフードに切り替えたり、必要な栄養はサプリメントなどで補うようにしましょう。
ストレス
環境や季節の変化、筋力が落ちて体が思うように動かない、歳をとって体に痛みがある、視力が落ちて見えにくい、運動や遊びが足りないなどのストレスも毛並みや毛艶が悪くなる原因になります。
ノミ・ダニなどの寄生虫
ノミやダニなどの寄生虫による皮膚トラブルが原因で、毛並みや毛艶が悪くなるケースもあります。アウトドアに出かける機会が多い犬や、散歩コースが緑の多い公園や自然の多い場所だという犬は、しっかりと対策してあげましょう。
犬のベッドやマットなどを、定期的に洗濯し清潔に保つことも大切です。寄生虫トラブルは予防薬で回避できます。寄生されてから対策するのではなく、寄生する前の予防が重要です。
病気
老化によって毛が薄くなることもありますが、人間のようにハッキリとした変化はありません。皮膚が見えるほど薄くなっている場合には病気の可能性もあるので注意が必要です。
被毛の状態が悪いだけでなく、食欲がない、便の状態に変化がある、あきらかに元気がない、といった場合も病気が原因の可能性があります。早めに動物病院を受診しましょう。
●毛並み・毛艶、被毛の量などに影響が出る主な病気
- 甲状腺機能低下症
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 肝臓・腎臓機能の低下
- 膿皮症
- 毛包虫症
- 皮膚糸状菌症
- 表在性膿皮症
老犬の毛並み・毛艶改善のためのケア方法
老犬になっても、被毛の状態は良好に保ちたいですよね。そのために、飼い主さんが自宅でできるケアを紹介します。
ブラッシング
ブラッシングをしないでいると、被毛のもつれや毛玉の原因になります。汚れもたまりやすくなってしまい、清潔な状態を保つのが難しくなるでしょう。
ブラッシングは被毛の絡まりをとるだけでなく、肌に刺激を与えて血行が促進されます。ブラシは皮膚にあたってもいたくないよう、獣毛やラバー、ゴム製のものがおすすめです。老犬は皮膚が弱くなっているので、力を入れないようにそっとブラッシングしてください。
被毛がパサついている時や絡まっている時には保湿スプレーを使い、無理に引っ張らないように気をつけましょう。
マッサージ
マッサージは血行促進に有効です。シニア犬は体を動かす機会も少なく、どうしても血行が悪くなりがちなので、毎日のケアにマッサージを取り入れてあげてください。
また、マッサージは飼い主さんとのスキンシップになり、リラックス効果も高いのでストレス解消にもなります。イボやしこりといった犬の体の変化にも気づきやすくなり、病気の早期発見にもつながるため、ぜひ日課として取り入れてください。
シャンプー
清潔な状態を保つためにもシャンプーは必要ですが、できるだけ低刺激のシャンプーを選んであげてください。シャンプー剤は、手の上で泡立ててから犬の体につけます。被毛に直接かけて、犬の体で泡立てないようにしましょう。
被毛のパサつきが気になる場合には、保湿効果の高いシャンプーやコンディショナーを選んだり、シャンプー後に使用する保湿スプレーなどを使用するとよいでしょう。
食事・栄養
毛並み・毛艶の改善に、大きく栄養しているのが食事です。健康な皮膚・被毛に欠かせないのが、タンパク質と必須脂肪酸。毛並み・毛艶の改善のためには、この2つの栄養素が大変重要です。
【タンパク質】
犬の被毛は、ケラチンというタンパク質によってつくられます。タンパク質は、筋肉や臓器など犬の体すべてをつくる大切な栄養素です。
食事として体内に取り込まれたタンパク質は、優先的に生命の維持に重要な部分から行き渡った後、皮膚や被毛に使われます。つまり、摂取するタンパク質の量が少ないと、皮膚や被毛まで行き届かないのです。
被毛ケアに特化したドッグフードを選んだり、ドッグフードに魚や肉をトッピングするのもおすすめです。タンパク質には、植物性と動物性の2種類があり、本来肉食動物である犬は、動物性タンパク質の方が消化吸収しやすいと言われています。
犬の腸は短く人間と比べて栄養を効率的に吸収できないため、トッピングの肉や魚は細かく刻んであげましょう。トッピングの量が多すぎると栄養バランスが崩れてしまい、かえってトラブルの元になります。トッピングは、1日の必要カロリーの10%以内で与えてください。
【 必須脂肪酸】
もう一つ、毛並み・毛艶の改善に大切な栄養が必須脂肪酸です。必須脂肪酸は体内ではつくれないため、食事で摂取する必要があります。
イワシ・サンマなどをトッピングしたり、えごま油や亜麻仁油を ドッグフードに数滴たらしてあげるのもおすすめです。ただし、脂質は高カロリーなので、摂取量に気をつけましょう。
犬の毛並み毛艶のケアにおすすめ
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