
膝蓋骨脱臼(パテラ)はなぜトイ・プードルに多い?飼い主が知っておきたい予防と対策
小型犬に多く見られる関節のトラブル「膝蓋骨脱臼(パテラ)」。
中でもトイ・プードルは特に発症しやすい犬種とされており、調査では約7頭に1頭が発症しているという結果も出ています。初期は目立った症状がなく、気づかないうちに進行してしまうこともあるため、飼い主が早めに気づいて対策することが重要です。
この記事では
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)とは
- トイプードルに多い理由
- 日常生活でできる予防と対策
について解説します。
膝蓋骨脱臼(パテラ)とは

膝蓋骨脱臼(パテラ)とは、膝のお皿の骨「膝蓋骨(しつがいこつ)」が、本来の位置から外れてしまう状態のことをいいます。
脱臼してもすぐに元に戻る軽いものから、常に外れたままで痛みや歩き方の異常が出る重いケースまで、症状には幅があり、進行すると、膝の関節が変形してしまうこともあります。
原因は、先天性(生まれつき)と後天性(ケガや生活習慣など)の2つに分けられ、トイプードルの場合、先天的な体の構造による発症が多いとされており、骨の形状や筋肉のバランス、靭帯の緩さなどが関係していると考えられています。
トイ・プードルに膝蓋骨脱臼(パテラ)の発症が多い理由

ペット保険会社と研究機関が共同で行った調査によると、トイ・プードルに多発する膝蓋骨脱臼(パテラ)の発症は、遺伝的な影響が強く関与していることが明らかになりました。
実際に、0歳の子犬2,000頭以上を対象としたデータでは、9犬種の中で最も発症率が高かったのがトイ・プードルで、約14.1%、およそ7頭に1頭の割合で膝蓋骨脱臼(パテラ)」が見られたということです。
さらに、兄弟犬に膝蓋骨脱臼(パテラ)を発症した子がいる場合、他の兄弟も発症する可能性が16.2倍に高まるという結果が出ています。このことから、膝蓋骨脱臼(パテラ)は単なる生活習慣や体の使い方だけでなく、生まれつきの体のつくりや家系的な要因が深く関係する疾患であると考えられています。
膝蓋骨脱臼(パテラ)のグレードと症状の進行

膝蓋骨脱臼(パテラ)は、症状の重さにより4つの段階(グレード1〜4)に分けられます。それぞれの段階で、見られるサインや必要な対応も異なります。
グレード1
膝が一時的に外れてもすぐ元に戻る状態で、見た目の症状はほとんどありません。
グレード2
動いているうちに自然と外れやすくなり、歩いているときにスキップするような動きが見られることがあります。
グレード3
常に脱臼したままで、手で元に戻してあげないと正しい位置に戻りません。歩き方にも明らかな違和感が出てきます。
グレード4
完全に脱臼した状態で固定されており、骨の変形や強い歩行障害が見られる重度の状態です。
先ほどの研究結果によると、膝蓋骨脱臼(パテラ)を発症したトイ・プードルのうち、最も多かったのはグレード1(全体の23.6%)でした。この段階では症状がごく軽く、見た目にはほとんど気づかれないことも少なくありません。
しかし、そのまま気づかずに過ごしてしまうと、関節への負担が積み重なり、グレード2以降へ進行してしまう可能性もあります。
とくにトイ・プードルのように活発で、痛みや違和感を表に出しにくい犬種では、不調をうまく隠してしまうこともあるため、日ごろの観察がとても重要です。「軽いから大丈夫」と油断せず、早めのケアと対策を心がけることが、将来的な負担を減らす第一歩になります。
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日常生活でできる対策

骨格が華奢で関節も小さなトイ・プードルは、膝に負担がかかりやすい体のつくりをしています。さらに活発でジャンプが大好きな性格の子も多いため、ちょっとした日常の動きがパテラの進行につながることもあります。
飼い主が日常の中で少しだけ気をつけてあげることで、膝への負担をぐっと減らすことができます。
滑りにくい床をつくる
フローリングにはラグやジョイントマットを敷いて、安心して歩ける環境を整えてあげましょう。
体重を適正にキープ
小さな体のトイ・プードルにとって、わずかな体重増加でも関節には大きな負担になります。おやつのあげすぎに気をつけながら、スリムで健康的な体をキープしましょう。
ジャンプや段差を避ける
元気に跳ぶのが大好きな犬も多いですが、ソファやベッドからの飛び降りは膝への衝撃が心配です。ペット用のステップやスロープを用意して、無理のない動線をつくってあげましょう。
定期的に膝のチェックを
トイ・プードルは我慢強く、少しの違和感では態度に出さないこともあります。動物病院での定期検診はもちろん、毎日のスキンシップの中で「なんとなく歩き方が変かも?」と感じたら、早めに診てもらうようにしましょう。
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早期発見と予防のためにできること
膝蓋骨脱臼は、軽い段階では見逃されがちでも、進行すると犬の生活に大きな支障を与える可能性のある病気です。とくにトイ・プードルのように発症リスクが高い犬種では、飼い主が意識して早期発見と日々のケアに取り組むことが大切です。
毎日の食事で、体の内側から関節の健康を支えることも意識してみましょう。必要に応じて、関節ケア成分を含むサプリメントを取り入れるのもひとつの方法です。無理のない範囲で、できることを少しずつ積み重ねていくことが、愛犬の健やかな毎日につながります。
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