猫の便秘解消!即効でできる自宅ケアと病院へ行くべき危険なサイン

猫の便秘解消!即効でできる自宅ケアと病院へ行くべき危険なサイン

Table of Contents

  • 丸2日以上排便がない、または嘔吐がある場合は迷わず動物病院へ
  • 自宅ケアは「のの字マッサージ」や「水分補給」で腸の働きを優しくサポート
  • 人間用の便秘薬や浣腸は危険なため絶対に使用しないこと
  • オリーブオイルは少量なら活用できるが、与え方と誤嚥に注意が必要
  • 自己判断で無理をせず、愛猫の様子がおかしい時はプロに相談を

「愛猫がトイレで踏ん張っているのに、うんちが出ない…」「もう丸2日も排便がないけれど、大丈夫かな?」

愛猫が苦しそうにしている姿を見ると、飼い主さんとしては一刻も早く楽にしてあげたいと焦ってしまうものです。便秘は猫ちゃんにとって不快なだけでなく、放置すると命に関わる病気が隠れていることもあります。

この記事では、今すぐ自宅でできる「腸の働きをサポートするケア方法」と、迷わず動物病院へ行くべき「危険なサイン」について、飼い主さんの不安に寄り添いながら解説します。まずは愛猫の今の状態をチェックして、最適な対処法を選んであげましょう。

【緊急度チェック】この症状ならすぐに動物病院へ

愛猫の便秘に気づいたとき、まず最初に行うべきは「自宅で様子を見ていいのか」、それとも「すぐに病院へ行くべきか」の判断です。猫の便秘は単なる体質的なものから、緊急手術が必要な腸閉塞まで、原因はさまざまです。

もし、以下の解説する症状に当てはまる場合は、自宅でのケアを試す前に、速やかに動物病院を受診してください。自己判断で時間を費やしてしまうことが、愛猫にとって最大のリスクになることもあります。まずは冷静に、愛猫の様子を観察してみましょう。

便秘以外に「嘔吐」や「食欲不振」がある場合

便が出ていないことに加えて、「嘔吐」を繰り返していたり、大好きなご飯やおやつにも興味を示さない「食欲不振」が見られる場合は、緊急性が高い状態です。

単なる便秘ではなく、腸閉塞(異物誤飲などで腸が詰まっている状態)や、巨大結腸症といった重篤なトラブルが起きている可能性があります。特に、水を飲んでも吐いてしまう場合や、何度もトイレに行くのに何も出ず、その後に吐くといった様子が見られるなら、一刻を争うケースも考えられます。

腸が完全に詰まってしまっている状態で、無理に食事を与えたりマッサージをしたりするのは逆効果です。これらの症状がセットで見られる場合は、自宅でのケアは行わず、すぐに獣医師の診察を受けてください。

丸2日(48時間)以上うんちが出ていない場合

猫の排便頻度は個体差がありますが、一般的には1日に1回〜2回が健康な目安とされています。もし、丸2日(48時間)以上まったくうんちが出ていない場合は、すでに「便秘」の状態にあると判断して良いでしょう。

3日以上出ない状態が続くと、腸内に溜まった便の水分が吸収されすぎてカチカチに硬くなり、自力で出すことが極めて困難になります。こうなると、自宅でのマッサージや食事療法だけで解消するのは難しく、動物病院での摘便(てきべん)や浣腸処置が必要になることがほとんどです。

「もう少し様子を見ようかな」と迷っている間に、便はどんどん硬くなってしまいます。「48時間」を一つのタイムリミットとして考え、それ以上経過している場合は、愛猫が元気そうに見えても受診を検討することをおすすめします。

自宅で即効ケア!猫の便秘解消をサポートする4つの方法

緊急性の高い症状が見られず、愛猫に食欲や元気がある場合は、自宅でのケアで腸の働きをサポートしてあげましょう。ここでは、飼い主さんがすぐに実践できる4つの方法をご紹介します。

ただし、これらの方法はあくまで「排便を促すサポート」です。愛猫が嫌がる場合は無理に行わず、リラックスした状態で試してあげてください。

1. 腸の動きを優しく促す「のの字マッサージ」

お腹を優しくマッサージすることで、腸に物理的な刺激を与え、蠕動(ぜんどう)運動をサポートすることができます。愛猫がリラックスして横になっている時や、甘えてきているタイミングで行いましょう。

マッサージの手順

  • ステップ1:リラックスさせる
    まずは頭や顎の下など、猫ちゃんが触られて喜ぶ場所を撫でて、警戒心を解きます。
  • ステップ2:お腹に優しく触れる
    仰向け、または横向きに寝かせ、おへそのあたり(お腹の中心)に手のひらを優しく当てて温めます。
  • ステップ3:「の」の字を書く
    時計回り(猫ちゃんの右脇腹から上へ、左脇腹を通って下へ)に、ひらがなの「の」の字を描くようにゆっくりと撫でます。これは猫の腸の走行に沿った方向です。
  • ステップ4:力加減は「撫でる」程度で
    指先でグイグイ押すのは厳禁です。手のひら全体を使い、皮膚を優しくさする程度の力加減で、1回数分程度行います。

マッサージ中に猫が尻尾をパタパタさせたり、嫌がって逃げようとしたりした場合や、腹壁が硬い場合は、すでに炎症や閉塞が起きている可能性があります。即中止すぐに中止してください。ストレスは便秘の大敵ですので、気持ちよさそうにしている時だけ行うのがポイントです。

2. うんちを柔らかくする「水分補給」の工夫

便秘の最大の原因の一つは「水分不足」です。猫はもともとあまり水を飲まない動物ですが、体内の水分が足りないと、腸が大便から水分を吸収してしまい、便が石のように硬くなってしまいます。即効性を期待するなら、まずは水分摂取量を増やす工夫が不可欠です。

すぐにできる水分の摂らせ方

  • ウェットフードを活用する
    ドライフード(水分約10%)に比べ、ウェットフードは水分が約80%も含まれています。いつものご飯をウェットフードに変えるか、トッピングするだけでも水分量は大幅にアップします。
  • ぬるま湯をあげる
    冷たい水よりも、人肌程度(38℃前後)のぬるま湯を好む猫ちゃんは多いです。香りが立ちやすくなるため、飲水意欲を刺激できます。
  • 飲み水に風味をつける
    ささみのゆで汁(塩分を含まないもの)などを数滴垂らし、水に風味をつけてあげると、喜んで飲んでくれることがあります。

「水を飲みなさい」と言っても飲んでくれるわけではないので、食事から自然に水分が摂れるようにサポートしてあげることが、うんちを柔らかくする近道です。

3. オリーブオイルは効果的?与え方と注意点

「猫の便秘にオリーブオイルが良い」と聞いたことがある飼い主さんも多いかもしれません。確かに、オリーブオイルに含まれるオレイン酸は小腸で吸収されにくく、腸内で潤滑油のような働きをして、便の滑りを良くする効果が期待できます。

与え方と適量

体重4kg程度の成猫であれば、小さじ半分〜1杯程度が目安です。いつものフードに混ぜて与えてみましょう。香りを好む猫ちゃんもいますが、嫌がる場合は無理に与えないでください。

重要な注意点

スポイトなどで無理やり口に流し込むのは絶対にやめてください。誤って気管に入ると「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こす危険があります。必ず食事に混ぜて自然に摂取させましょう。
また、与えすぎると下痢を引き起こしたり、カロリーオーバーで肥満の原因になったりします。あくまで一時的なケアとして活用し、数日続けても改善しない場合は使用を中止しあ、長期使用はしないでください。

4. 運動不足を解消して腸を刺激する

運動不足は腸の動きを鈍らせる大きな要因です。特に完全室内飼いの猫ちゃんや、シニア期に入って寝ている時間が増えた猫ちゃんは、意識的に体を動かす機会を作ってあげる必要があります。

猫じゃらしを使って狩猟本能を刺激し、ジャンプやダッシュなどの全身運動を促しましょう。上下運動ができるキャットタワーの上り下りも効果的です。運動をすることで物理的に腸が揺すられ、刺激されるだけでなく、自律神経が整って排便のリズムが整いやすくなります。

1回5分〜10分程度で構いませんので、1日に数回、愛猫と遊ぶ時間を作ってみてください。ストレス解消にもなり、一石二鳥の便秘ケアとなります。

やってはいけない!自己判断での危険なNG対処法

愛猫の辛そうな姿を見ると、「なんとかしてあげたい」という一心で、人間用の薬や強いマッサージを試したくなるかもしれません。しかし、猫の体は人間とは全く異なります。良かれと思って行ったケアが、最悪の場合、命に関わる事故につながることもあります。

ここでは、絶対にやってはいけないNG対処法について解説します。

人間用の便秘薬や浣腸の使用は絶対NG

人間用の便秘薬や浣腸(イチジク浣腸など)を猫に使用することは、絶対に避けてください。

人間用の浣腸に含まれる成分(グリセリンなど)は、猫にとっては刺激が強すぎたり、濃度の調整が難しかったりします。安易に使用すると、直腸の粘膜を傷つけたり、急激な脱水症状や電解質異常を引き起こし、ショック状態に陥る危険性があります。

また、人間用の便秘薬も成分によっては猫に中毒症状を引き起こすものがあります。薬や医療処置は、必ず獣医師の診断と処方のもとで行うのが鉄則です。「子供用なら大丈夫だろう」という自己判断も非常に危険ですのでやめましょう。

お腹を強く押しすぎるマッサージ

先ほどご紹介した「のの字マッサージ」は、あくまで優しくさすることが前提です。「詰まっているうんちを押し出そう」として、お腹をグイグイと強く押したり、揉みしだいたりするのは大変危険です。

もし腸閉塞や巨大結腸症などの病気が隠れていた場合、強く押すことで腸が破裂してしまったり、炎症を悪化させたりする恐れがあります。また、猫が痛みを感じて飼い主さんを警戒するようになり、その後のケアができなくなってしまうこともあります。
マッサージはリラックス目的で行い、物理的に便を押し出そうとはしないでください。

そもそもなぜ?猫が便秘になる主な原因

一時的に便秘が解消しても、原因を取り除かなければまたすぐに繰り返してしまいます。猫が便秘になりやすい背景には、猫特有の習性や体の仕組みが関係しています。主な原因を知っておくことで、今後の予防にも役立ちます。

水分不足や食事の内容(食物繊維のバランス)

猫の祖先は砂漠で暮らしていたため、少ない水分で生きられるよう、尿を濃縮し、便から水分を限界まで吸収する体の仕組みを持っています。そのため、少しでも飲水量が減ると、すぐに便が硬くなってしまいます。

また、食事に含まれる食物繊維のバランスも重要です。毛玉ケア用のフードなどは食物繊維が豊富ですが、水分を摂らずに繊維ばかり増えると、かえって便が詰まりやすくなることもあります。愛猫の体質に合ったフード選びが大切です。

ストレスやトイレ環境の問題

猫は非常にデリケートな動物です。トイレが汚れていたり、トイレの場所がうるさかったり、同居猫との関係が悪かったりすると、排泄を我慢してしまうことがあります。

「トイレに行きたくない」という我慢が続くと、直腸に便が溜まり、便意を感じにくくなる悪循環に陥ります。トイレは常に清潔に保ち、猫が安心して排泄できる静かな場所に設置してあげましょう。

加齢や腎臓病などの病気が隠れていることも

高齢になると筋力が低下し、きばる力が弱くなるため便秘になりやすくなります。また、シニア猫に多い「慢性腎臓病」になると、多尿(おしっこがたくさん出る)によって体内の水分が失われ、脱水状態になり、結果として便秘を引き起こすことがよくあります。

「ただの便秘」だと思っていたら、実は腎臓病のサインだったというケースも少なくありません。高齢の猫ちゃんの場合は特に注意が必要です。

動物病院での治療内容と費用の目安

自宅ケアで改善が見られない場合、動物病院ではどのような治療が行われるのでしょうか。いざという時に慌てないよう、一般的な処置の内容と費用の目安を知っておくと安心です。

主な処置(摘便・浣腸・投薬)と検査

動物病院ではまず、触診やお腹のレントゲン検査を行い、便がどの程度溜まっているか、骨盤の異常や腫瘍などがないかを確認します。

治療は症状の重さによって異なりますが、軽度であれば水分補給のための点滴や、便を柔らかくする内服薬(シロップや粉薬)が処方されます。
便が直腸でカチカチに固まっている場合は、猫用の浣腸を使って排便を促したり、獣医師が指で直接便をかき出す「摘便(てきべん)」処置を行ったりします。摘便は痛みを伴うため、鎮静剤や麻酔を使用することもあります。

治療にかかる費用の目安

費用は病院や猫の状態、地域によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

項目

費用の目安

初診料・再診料

1,000円〜2,000円

レントゲン検査

3,000円〜5,000円

皮下点滴

2,000円〜4,000円

浣腸・摘便処置

2,000円〜8,000円
※麻酔が必要な場合は別途費用がかかります

内服薬(1週間分)

1,000円〜3,000円

重症化して入院や手術が必要になると、数万円〜十数万円の費用がかかることもあります。早めの受診は、愛猫の体の負担だけでなく、経済的な負担を減らすことにもつながります。

猫の便秘に関するよくある質問 (FAQ)

 

猫の便秘にヨーグルトを与えても大丈夫ですか?

 

無糖のプレーンヨーグルトであれば、少量(小さじ1杯程度)を与えても問題ない場合が多いです。乳酸菌が腸内環境を整えるサポートになります。ただし、猫によっては乳製品でお腹を壊してしまう(乳糖不耐症)こともあるため、最初はごく少量から試し、下痢をしないか様子を見てください。

 

 

 

何日うんちが出なかったら病院に行くべきですか?

 

丸2日(48時間)以上排便がない場合は、受診をおすすめします。3日以上出ないと便が硬くなりすぎて自力での排泄が困難になるリスクが高まります。また、1日出ていなくても、嘔吐や食欲不振がある場合はすぐに受診してください。

 

 

 

トイレで鳴いているのにうんちが出ないのはなぜですか?

 

便が硬くて出せない痛みや、残便感による不快感で鳴いている可能性があります。また、便秘ではなく「尿路閉塞(おしっこが出ない)」で苦しんでいる場合もあり、これは命に関わる緊急事態です。トイレで苦しそうに鳴いている場合は、様子を見ずにすぐに動物病院へ連絡してください。

 

 

まとめ:愛猫の様子を観察し、無理せず早めの受診を

猫の便秘は、早期であれば自宅でのマッサージや食事の工夫で解消できることもありますが、時間が経つほど頑固になり、愛猫にとって辛い状態になってしまいます。

「たかが便秘」と軽く考えず、丸2日出ない場合や、元気がない場合は、迷わずプロである獣医師の力を借りてください。飼い主さんの「いつもと違う」という直感は、多くの場合当たっています。愛猫がスッキリして元気に過ごせるよう、早めのケアと判断でサポートしてあげましょう。

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