猫用おむつの選び方|嫌がる時の対処法からおすすめ人気ランキングまで徹底解説

猫用おむつの選び方|嫌がる時の対処法からおすすめ人気ランキングまで徹底解説

Table of Contents

  • 猫におむつが必要になるのは、主に「高齢」「病気やケガ」「マーキング」「術後・移動時」の4つのシーンです。
  • 猫用おむつには「紙タイプ」と「布タイプ」があり、それぞれにメリット・デメリットがあるため、用途に合わせた選択が大切です。
  • おむつ選びで最も重要なのは「サイズ」。胴回りを正しく測り、漏れやズレを防ぐ機能性や猫が快適な素材を選ぶことがポイントです。
  • 猫がおむつを嫌がる場合は、無理強いせず、おやつを使ったり短い時間から試したりして、少しずつ慣れさせることが成功の鍵です。
  • おむつ使用中は、こまめな交換と清潔を保つことで、皮膚のかぶれなどのトラブルを防ぎ、愛猫の健康を守ります。

愛猫が急に粗相をするようになったり、動物病院でおむつの使用を勧められたりして、「何から始めたらいいの?」「猫におむつなんて、かわいそう…」と戸惑いや不安を感じていらっしゃる飼い主さんも多いのではないでしょうか。大切な愛猫だからこそ、できるだけ負担をかけずに快適に過ごさせてあげたいですよね。

この記事では、そんな初めて猫の介護に直面する飼い主さんのために、猫におむつが必要になるシーンから、愛猫にぴったりの一枚を見つけるための選び方のポイント、嫌がるときの対処法まで、基本から分かりやすく解説します。
この記事を読めば、自信を持って愛猫のためのおむつ選びができるようになり、穏やかな気持ちでケアを始められるはずです。

そもそも猫におむつは必要?着用を考えるべき4つのシーン

本来、猫はとてもきれい好きで、決まった場所で排泄する習慣があります。そのため、おむつは必ずしも全ての猫に必要なものではありません。
しかし、様々な理由で自力での排泄コントロールが難しくなった場合には、おむつが猫と飼い主さん双方の負担を大きく軽減してくれる心強いアイテムになります。愛猫のQOL(生活の質)を保ち、飼い主さんが穏やかに介護を続けるためにも、おむつの着用を検討すべき具体的な4つのシーンについて見ていきましょう。
無理につけるのではなく、あくまで愛猫の快適な生活をサポートするための選択肢として考えてあげることが大切です。

高齢(シニア)によるもの

猫も人間と同じように、年を重ねると足腰の筋力が衰えたり、関節に痛みが出たりして、トイレまでの移動が億劫になることがあります。また、認知機能が低下し、トイレの場所がわからなくなってしまうことも。
こうした加齢による変化で粗相が増えてきた場合は、おむつの使用が有効です。おむつをすることで、猫自身が「失敗してしまった」と感じるストレスを減らし、飼い主さんも掃除の手間が省けるため、お互いにとって穏やかな時間が増えるでしょう。

病気やケガによるもの

腎臓病や糖尿病などの病気は、飲水量が増え、尿の量や回数が多くなる「多飲多尿」という症状を引き起こすことがあります。これにより、トイレが間に合わずに粗相をしてしまうケースは少なくありません。
また、椎間板ヘルニアなどの神経系の病気や、下半身のケガによって排泄をコントロールできなくなることも。病気やケガが原因の場合は、まず動物病院で適切な治療を受けることが最優先ですが、そのサポートとしておむつを活用することで、衛生的な環境を保ちやすくなります。

マーキング(スプレー)行動

去勢・避妊手術をしていないオス猫や、多頭飼いの環境で暮らす猫に見られることがあるのが、自分の縄張りを主張するためのマーキング(スプレー)行動です。これは通常の排泄とは異なり、壁や家具などに少量の尿を吹きかける行為です。しつけで直すことが難しい場合も多く、飼い主さんにとっては大きな悩みの一つ。
このようなマーキング行動による汚れを防ぐ目的で、おむつやマナーウェアが使われることがあります。ただし、ストレスが原因の場合もあるため、行動の背景にある原因を探ることも大切です。

手術後や長距離の移動時

避妊・去勢手術やその他の外科手術の後は、傷口を舐めてしまわないようにエリザベスカラーを装着することがあります。カラーに慣れていないと、トイレでうまく体勢が取れずに粗相をしてしまうことも。
そんな時、一時的におむつを使用すると安心です。また、引っ越しや帰省などで長時間車や公共交通機関で移動する際にも、おむつは役立ちます。慣れない環境での粗相を防ぎ、キャリーケース内を清潔に保つことができるため、移動中の心配事を一つ減らすことができます。

【基本のキ】猫用おむつの種類とそれぞれのメリット・デメリット

猫用おむつと一言でいっても、いくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解し、愛猫の状態や飼い主さんのライフスタイルに合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

ここでは、代表的な「紙おむつ」「布おむつ」、そして装着をサポートする「おむつカバー・サスペンダー」について、それぞれのメリットとデメリットを分かりやすく解説します。どちらが良い・悪いということではなく、何を優先したいかに合わせて使い分けるのがおすすめです。

使い捨ての「紙おむつ」

ペットショップやドラッグストア、オンラインストアで手軽に購入できるのが、使い捨てタイプの紙おむつです。最大のメリットは、使用後にそのまま捨てられる手軽さと衛生面にあります。吸収性が高く、ギャザーなどの漏れ防止機能が充実している製品も多いため、尿量が多い場合でも安心感があります。

一方で、継続して使用する場合はコストがかさむ点がデメリットです。また、製品によっては通気性が悪く、デリケートな肌の猫はかぶれてしまう可能性もあるため、こまめな交換が欠かせません。

繰り返し使える「布おむつ」

布おむつは、洗って繰り返し使えるため、長期的に見ると経済的で環境に優しいのが大きなメリットです。コットンなどの柔らかい素材で作られていることが多く、肌触りが良いため、紙おむつが苦手な猫でも受け入れやすい場合があります。

デメリットは、使用するたびに洗濯が必要になる点です。特に尿量が多い場合や、うんちで汚れた場合は、手洗いの手間がかかります。また、初期費用は紙おむつよりも高くなる傾向があり、吸収力を高めるためにパッドの併用が必要になることもあります。

ズレ防止に役立つ「おむつカバー・サスペンダー」

活発に動く猫や、おむつを気にして脱ごうとしてしまう猫におすすめなのが、おむつカバーやサスペンダーです。おむつの上から装着することで、フィット感を高めてズレや脱げを防ぎます。デザインが豊富なものも多く、介護用品でありながらおしゃれを楽しめるのも魅力の一つです。布おむつと組み合わせて使うのが一般的ですが、紙おむつのズレ防止にも役立ちます。

ただし、装着するアイテムが増える分、猫がストレスを感じる可能性もあるため、様子を見ながら使用することが大切です。

愛猫にぴったりの一枚を!猫用おむつの選び方【5つのポイント】

愛猫におむつが必要になったとき、たくさんの種類の中からどれを選べば良いか迷ってしまいますよね。サイズが合わなかったり、つけ心地が悪かったりすると、猫は大きなストレスを感じてしまいます。

ここでは、愛猫にぴったりの一枚を見つけるために、飼い主さんがチェックすべき5つの大切なポイントを解説します。これらのポイントを押さえることで、失敗の少ないおむつ選びができるようになり、愛猫も飼い主さんも快適に過ごせるようになります。

①まずはコレ!サイズの測り方と選び方の注意点

おむつ選びで最も重要なのが「サイズ」です。サイズが大きすぎると隙間から漏れてしまい、小さすぎると猫を締め付けてしまい、皮膚トラブルの原因にもなります。まずはメジャーを用意し、猫が立っている状態で後ろ足の付け根あたりの「胴回り(ウエスト)」を測りましょう。

測ったサイズを基に、各製品のサイズ表を確認します。メーカーによってサイズ基準が異なるため、「Sサイズだから大丈夫」と決めつけず、必ず胴回りの対応範囲(cm)をチェックしてください。また、体重もサイズ選びの目安になりますが、同じ体重でも体型は様々なので、胴回りを基準に選ぶのが確実です。初めて購入する際は、少量パックで試してみることをおすすめします。

②漏れ・ズレを防ぐ「機能性」をチェック

おむつの役割をしっかり果たしてもらうためには、漏れやズレを防ぐ機能性が欠かせません。特に以下の2点は、快適に使うための重要なチェックポイントです。

しっぽ穴の大きさとフィット感

猫用おむつには、しっぽを出すための穴が開いています。この穴が大きすぎると漏れの原因になり、小さすぎるとしっぽが擦れてしまいます。製品によっては、しっぽ穴の大きさを調整できる切れ込みが入っているものもあります。愛猫のしっぽの太さや動きやすさを考えて、フィット感の良いものを選んであげましょう。

ギャザーやテープの密着性

足の付け根部分にある「立体ギャザー」は、横漏れを防ぐための重要なパーツです。しっかりと立ち上がり、体にフィットするものを選びましょう。また、おむつを固定するテープも大切なポイント。何度でもつけ直しができるタイプのテープなら、装着に失敗しても微調整がしやすく便利です。伸縮性のあるテープだと、さらに体にフィットさせやすくなります。

③猫のストレスを軽減する「素材・つけ心地」

猫は非常にデリケートな動物なので、おむつの素材やつけ心地はストレスに直結します。ゴワゴワした硬い素材ではなく、人間用の赤ちゃんおむつのように、柔らかく肌触りの良い素材を選んであげましょう。特に、通気性の良い素材は、蒸れによる皮膚のかぶれを防ぐためにも重要です。また、香りがついている製品もありますが、嗅覚の鋭い猫にとっては不快に感じることがあるため、基本的には無香料タイプを選ぶのが無難です。

④病気や体型に合わせた選び方

愛猫の健康状態や体型によっても、おむつ選びのポイントは変わってきます。例えば、先述した腎臓病や糖尿病などで尿量が多い「多飲多尿」の症状がある場合は、吸収量が多いパワフル吸収タイプがおすすめです。交換回数を減らすことができ、猫の負担軽減にも繋がります。

また、痩せていたり、逆に太っていたりして既製品のサイズが合わない場合は、おむつカバーやサスペンダーを併用してフィット感を調整する工夫も必要です。病気で寝たきりの場合は、横漏れに強いギャザー性能の高い製品を選ぶなど、愛猫の状態を一番に考えて選んであげましょう。

⑤継続できる「コスト」も大切なポイント

おむつは毎日使う消耗品です。特に長期的な使用が見込まれる場合は、1枚あたりの価格もしっかりと考慮しましょう。高機能な製品は価格も高くなる傾向がありますが、安価でもすぐに漏れてしまっては意味がありません。機能性と価格のバランスを見ながら、家計に無理なく継続できる製品を選ぶことが、長く介護を続ける上での大切なポイントになります。

【飼い主さんの悩み】猫がおむつを嫌がる・暴れる時の対処法

いざおむつをつけようとしても、愛猫が嫌がって暴れたり、つけた瞬間に固まってしまったり…そんな経験をされる飼い主さんは少なくありません。猫にとって、体に何かを装着されるのは自然なことではなく、違和感や恐怖を感じるのは当然です。大切なのは、無理強いせず、猫のペースに合わせて少しずつ慣れさせてあげること。

ここでは、焦らずに取り組める具体的な対処法をいくつかご紹介します。飼い主さんがリラックスして接することが、猫の安心感にも繋がります。

  • ステップ1:おむつに慣れさせる
    まずは、おむつを猫の寝床の近くに置くなどして、匂いを嗅がせ、おむつ自体が怖いものではないと認識させましょう。
  • ステップ2:短い時間から試す
    最初から長時間つけるのではなく、まずは数分だけつけてみて、すぐにご褒美のおやつをあげて外してあげます。「おむつをつけると良いことがある」と学習してもらうのが目的です。
  • ステップ3:二人で協力する
    可能であれば、一人が猫を優しく抱きかかえ、もう一人が素早く装着するなど、二人で協力するとスムーズです。
  • ステップ4:ポジティブな声かけ
    装着中は「えらいね」「いい子だね」とたくさん褒めてあげましょう。飼い主さんの優しい声は猫を安心させます。
  • ステップ5:おむつカバーを活用する
    どうしても自分で外してしまう場合は、上からおむつカバーやサスペンダー付きのズボンなどを履かせるのも一つの手です。

犬用や人間(新生児)用おむつは代用できる?注意点も解説

猫用おむつは犬用に比べて種類が少なかったり、価格が少し高かったりすることから、「犬用や人間の赤ちゃん用のおむつで代用できないかな?」と考える飼い主さんもいるかもしれません。結論から言うと、工夫次第で代用は可能です。特に、体のサイズが近い新生児用や、超小型犬用の女の子用おむつが代用しやすいとされています。

しかし、代用する際にはいくつか注意点があります。一番の違いは「しっぽ穴」の有無です。猫のおしりの位置にしっぽが通る穴をハサミで開ける必要がありますが、この時、切り口から吸収体の中身が出てこないように、テープなどで保護する工夫が必要です。また、体型の違いからフィットしにくく、漏れやすい可能性もあることを理解しておきましょう。

おむつ使用時の注意点|かぶれ対策と衛生管理

おむつは正しく使えば非常に便利なアイテムですが、使い方を誤ると皮膚トラブルの原因になってしまいます。愛猫の健康を守るために、おむつ使用時に最も気をつけたいのが「かぶれ対策」と「衛生管理」です。
おむつの中は、尿や便によって高温多湿になり、雑菌が繁殖しやすい環境です。最低でも1日に3〜4回は交換し、排泄をしたらすぐに新しいものに取り替えてあげましょう。

交換の際には、ぬるま湯で湿らせたコットンやペット用のウェットティッシュで優しく拭き、皮膚を清潔に保つことが大切です。拭いた後は、しっかりと乾かしてから新しいおむつをつけます。赤みやかゆみなどの異常が見られた場合は、すぐにおむつの使用を中止し、動物病院に相談してください。

まとめ

この記事では、猫におむつが必要になるシーンから、選び方の5つのポイント、おすすめの商品、そして使用上の注意点までを詳しく解説しました。愛猫の介護は、飼い主さんにとって戸惑うことも多いと思いますが、おむつを上手に活用することで、猫と飼い主さん双方の負担を大きく減らすことができます。
大切なのは、愛猫の状態をよく観察し、ぴったりの一枚を選んであげること。そして、焦らず優しくケアを続けていくことです。

猫のおむつに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 猫用おむつはどのくらいの頻度で交換すればいいですか?

A1. 尿量にもよりますが、衛生を保つために最低でも1日に3〜4回(6〜8時間ごと)の交換が推奨されます。排尿や排便をしたことに気づいたら、その都度すぐに交換してあげるのが理想です。長時間同じおむつをつけ続けると、皮膚炎の原因になります。

Q2. オス猫のマーキング(スプレー)行動にもおむつは有効ですか?

A2. はい、有効です。マーキング行動による室内の汚れを防ぐために、おむつや「マナーウェア」と呼ばれる帯状のパッドがよく使われます。ただし、おむつは根本的な解決策ではないため、ストレスなど行動の原因を探り、獣医師に相談することも重要です。

Q3. うんちがおむつについてしまった時はどうすればいいですか?

A3. うんちをした場合は、気づき次第すぐに交換してください。おしり周りに付着した汚れは、ペット用のおしりふきや、ぬるま湯で湿らせたガーゼなどで優しく拭き取ります。毛にこびりついてしまった場合は、無理に取ろうとせず、部分的にカットするか、シャワーで洗い流してあげましょう。

Q4. 寝たきりの猫におむつをつける際の注意点はありますか?

A4. 寝たきりの猫は、同じ姿勢でいることが多いため、おむつによる圧迫で床ずれ(褥瘡)ができやすくなります。おむつのサイズが合っているか、ギャザーが食い込んでいないかをこまめにチェックし、定期的(2〜3時間ごと)に寝返りをさせて体圧が同じ場所にかかり続けないようにしてあげることが非常に大切です。

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