愛犬が「てんかん」かも?発作の症状と原因、緊急時の対処法をわかりやすく解説

愛犬が「てんかん」かも?発作の症状と原因、緊急時の対処法をわかりやすく解説

Table of Contents

  • 突然の愛犬のてんかん発作。まずは飼い主さんが落ち着いて安全を確保することが最優先です。
  • 発作の様子を動画で記録しておくと、動物病院での診断に非常に役立ちます。
  • 発作が5分以上続く、または短い間隔で繰り返す場合は、命に関わる危険なサインです。すぐに動物病院へ連絡してください。
  • てんかんは薬で発作をコントロールしながら、長く付き合っていく病気です。正しい知識で愛犬をサポートしましょう。

愛犬がてんかん発作を…まず飼い主さんがすべきこと

目の前で愛犬が突然倒れ、けいれんを起こしたら、誰でもパニックになってしまうものです。しかし、こんな時こそ飼い主さんの冷静な対応が愛犬を守ります。まずは深呼吸をして、これからお伝えする3つのステップを落ち着いて実行してください。

1. まずは落ち着いて愛犬の安全を確保する

てんかん発作が起きたら、まずは愛犬の周りにあるものを片付けて、安全なスペースを確保しましょう。特に、頭をぶつけて怪我をしないように、家具や硬い物から遠ざけてあげてください。ソファやベッドの上にいる場合は、落下しないように床にそっと移動させるとより安全です。

発作中は意識がないため、犬自身も不安を感じています。飼い主さんが優しく声をかけながら、静かに見守ってあげることが大切です。体を無理に押さえつけたり、揺さぶったりするのは逆効果になる可能性があるため、絶対にやめましょう。

2. 発作の様子を記録する(動画撮影がおすすめ)

少し落ち着いたら、スマートフォンのカメラで発作の様子を撮影しましょう。言葉で説明するよりも、実際の映像を見せる方が獣医師にとって何倍も有益な情報になります。

発作が始まった時間、どのようなけいれんだったか(手足が突っ張る、ガクガク震えるなど)、意識はあったか、よだれや失禁はあったか、そして何分続いたかを記録してください。

これらの情報は、てんかんの診断や、他の病気との見分けに非常に役立ちます。後からでも思い出せるように、発作が収まった後にメモを残しておくと安心です。

3. 発作中にやってはいけないこと

愛犬を助けたい一心で、ついやってしまいがちな行動が、かえって危険を招くことがあります。以下のことは絶対にしないでください。

  • 口の中に手や物を入れない:舌を噛むことを心配してタオルなどを入れると、窒息の原因になります。また、無意識に強く噛まれて飼い主さんが大怪我をする危険もあります。
  • 体を強く押さえつけない:けいれんを力で止めようとすると、骨折や脱臼を引き起こす可能性があります。
  • 大声で名前を呼んだり、体を揺さぶらない:過度な刺激は、発作を長引かせてしまうことがあります。
  • 落ち着いて見守り、安全を確保することに集中しましょう。

すぐに動物病院へ連絡すべき危険なサイン

ほとんどのてんかん発作は数分以内に収まりますが、中には命に関わる危険な状態もあります。これから説明するようなサインが見られた場合は、ためらわずに夜間や救急対応の動物病院へすぐに連絡し、指示を仰いでください。

「重積発作」と「群発発作」は命に関わる可能性も

特に注意が必要なのは、「重積発作(じゅうせきほっさ)」と「群発発作(ぐんぱつほっさ)」です。

重積発作
これは、1回のてんかん発作が5分以上続く状態、または短い発作を繰り返しながらもその間に意識が完全に戻らない状態を指します。発作が長く続くと、脳が深刻なダメージを受けたり、高体温になったりして、命の危険が高まります。時計で時間を計り、5分を超えたらすぐに動物病院へ連絡してください。

群発発作
こちらは、一度発作が完全に収まって意識が戻った後、24時間以内に再び発作を繰り返す状態です。1日に何度も発作が起こると、犬の体に大きな負担がかかり、重積発作に移行する危険性もあります。1日に2回以上の発作が見られたら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

そもそも犬の「てんかん」とは?

「てんかん」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのような病気なのかご存知ない方も多いかもしれません。

ここでは、犬のてんかんの基本的な知識について、分かりやすく解説します。正しい理解が、愛犬のサポートにつながります。

脳の異常な電気的興奮が原因で起こる病気

犬のてんかんとは、脳の神経細胞(ニューロン)が突然、異常に興奮することで、発作(けいれん、意識障害など)を繰り返し引き起こす脳の病気です。脳は通常、微弱な電気信号で情報をやり取りしていますが、何らかの原因でこの電気信号がショートしたように過剰になってしまうのが、てんかん発作のメカニズムです。

重要なのは、てんかんは「発作を繰り返す」という点です。何らかの原因で一度だけけいれんが起きても、それはてんかんとは診断されません。一般的に、24時間以上の間隔をあけて2回以上の発作が起きた場合に、てんかんが疑われます。

主なてんかんの種類:「特発性」と「構造性」

犬のてんかんは、その原因によって大きく2つのタイプに分けられます。

特発性(とくはつせい)てんかん
MRIや血液検査などを行っても脳に明らかな異常が見つからず、原因が特定できないてんかんを指します。遺伝的な要因が関わっていると考えられており、犬のてんかんでは最も多いタイプです。

一般的に、生後6ヶ月から6歳くらいの若い年齢で初めての発作を起こすことが多いとされています。

構造性(こうぞうせい)てんかん
脳腫瘍、脳炎、水頭症、過去の頭部の怪我など、脳に何らかの物理的な異常(構造的異常)が原因で起こるてんかんです。特発性てんかんと異なり、高齢になってから初めて発作を起こすケースも少なくありません。

これっててんかん?見られる主な症状

「てんかん発作」と聞くと、全身がけいれんする様子を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、症状の現れ方はさまざまです。

ここでは、代表的な発作のタイプと、その具体的な症状について解説します。愛犬の異変に気づくための参考にしてください。

全身に症状が現れる「全般発作」

脳全体が一度に興奮することで起こる発作で、意識を失うことがほとんどです。飼い主さんが最も気づきやすいタイプと言えるでしょう。

  • 強直間代発作(きょうちょくかんだいほっさ):最も典型的な発作です。突然意識を失って倒れ、体を硬直させて突っ張った後(強直期)、手足をガクガクとリズミカルに震わせます(間代期)。よだれを大量に出したり、失禁や脱糞を伴うこともあります。
  • 脱力発作:全身の力が抜けて、ぐったりと倒れ込みます。けいれんは見られません。

体の一部に症状が現れる「焦点性発作」

脳の一部が興奮することで起こり、症状も体の一部に限定して現れます。意識は保たれていることも多く、一見するとてんかん発作とは分かりにくい場合もあります。

  • 顔の一部(まぶた、唇など)がピクピクとけいれんする
  • 特定の手足だけがけいれんする
  • 何もないのに口をパクパクさせる(チューインガム発作)
  • 空中のハエを追いかけるように目で追ったり、噛もうとしたりする(ハエ咬み行動)
  • 意味もなくぐるぐると回り続ける

発作のタイプ

主な特徴

意識の状態

全般発作

全身に症状が現れる(硬直、けいれん、脱力など)

ほとんどの場合、意識を失う

焦点性発作

体の一部に症状が現れる(顔のひきつり、片足のけいれんなど)

意識が保たれていることが多い

発作の前兆(アウラ)に気づけることも

発作が起こる直前に、いつもと違う行動を見せることがあります。これを「前兆(アウラ)」と呼びます。飼い主さんがこのサインに気づくことができれば、発作に備えて安全な場所に移動させるなどの準備ができます。

  • 落ち着きがなくソワソワする
  • 飼い主さんにしきりに甘えたり、逆に隠れたりする
  • 体を震わせる
  • よだれを垂らす

これらの行動が見られたら、発作が起こるかもしれないと考え、注意深く様子を見てあげましょう。

なぜ?犬のてんかんの原因と診断方法

愛犬がてんかんと診断されると、「なぜうちの子が?」と原因を知りたくなるのは当然のことです。

ここでは、てんかん発作を引き起こす原因として考えられることや、動物病院でどのような検査が行われるのかについて解説します。

てんかん発作を引き起こす主な原因

てんかん発作の原因は、前述した「特発性てんかん」と「構造性てんかん」で異なります。

特発性てんかんの原因
明確な原因は分かっていませんが、遺伝的素因が強く関わっていると考えられています。そのため、特定の犬種で発症しやすい傾向があります。

例えば、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ビーグル、シェットランド・シープドッグ、ボーダー・コリーなどが好発犬種として知られています。

構造性てんかんの原因
脳に直接的なダメージを与える病気や怪我が原因となります。具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 脳腫瘍
  • 脳炎・髄膜炎(感染症など)
  • 水頭症
  • 過去の事故による頭部外傷
  • 脳梗塞などの脳血管障害

動物病院で行われる主な検査の流れ

てんかんの診断は、他の病気の可能性を一つひとつ除外していくことで行われます。まずは、飼い主さんからの詳しい問診が非常に重要です。

発作の頻度、時間、様子などをできるだけ正確に伝えましょう。動画があれば必ず見せてください。
その後、以下のような検査を組み合わせて診断を進めていきます。

  1. 身体検査・神経学的検査:体の動きや反射などをチェックし、神経系の異常がないかを確認します。

  2. 血液検査・尿検査:肝臓や腎臓の病気、低血糖、電解質の異常など、けいれんを引き起こす可能性のある内臓疾患がないかを調べます。

  3. 画像検査(レントゲン・超音波):主に体の他の部分に異常がないかを確認します。

  4. 高度画像検査(MRI・CT):脳の内部を詳しく見るための検査です。脳腫瘍や脳炎など、構造性てんかんの原因となる異常がないかを確認するために行われます。全身麻酔が必要になります。

てんかんと診断されたら?家庭でのサポート方法

愛犬がてんかんと診断されたら、ショックを受けるかもしれませんが、大切なのはこれからどう向き合っていくかです。てんかんは完治が難しい病気ですが、適切に管理することで、発作の回数を減らし、穏やかな日常を送ることは十分に可能です。

お薬による発作のコントロールが基本

犬のてんかんの管理は、「抗てんかん薬」による内科的なアプローチが中心となります。この目的は、発作を完全になくすことではなく、発作の頻度や重症度を軽減し、愛犬の生活の質(QOL)を維持することです。

獣医師は、発作のタイプや頻度、犬の年齢や健康状態に合わせて薬の種類や量を調整します。薬を飲み始めると、生涯にわたって継続することが基本です。飼い主さんの判断で急に薬をやめたり、量を減らしたりすると、かえって重い発作を引き起こす危険があるため、必ず獣医師の指示に従ってください。定期的な通院と血液検査で、薬の効果や副作用をチェックしながら、愛犬に合った管理方法を見つけていきましょう。

食事管理やサプリメントで健康をサポート

てんかんの管理において、日々の食事も大切な要素です。特定の食事がてんかんの発作を直接抑えるわけではありませんが、脳の健康をサポートする栄養素を取り入れることは、体全体の健康維持に役立つとされています。

例えば、中鎖脂肪酸(MCTオイルなど)は、脳のエネルギー源として利用されやすいとされ、注目されています。また、体内の炎症を抑える働きがあるとされるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)なども、健康維持をサポートする成分です。これらの栄養素は、食事から摂ることもできますが、サプリメントを活用することで、手軽に安定した量を補うことができます。食事やサプリメントについては、必ずかかりつけの獣医師に相談してから取り入れるようにしましょう。

治療にかかる費用の目安は?

てんかんの管理は長期間にわたるため、費用についても知っておくことが大切です。費用は、犬の体重(薬の量に関わる)や検査の頻度によって大きく異なります。一般的に、毎月の抗てんかん薬の費用と、数ヶ月に一度の定期的な血液検査の費用がかかります。

これに加えて、初回の診断時にはMRIなどの高度画像検査が必要になる場合もあります。長期的な負担を考慮し、ペット保険への加入を検討するのも一つの方法です。ただし、発症後に加入すると補償の対象外になることが多いため、健康なうちからの備えが重要です。

てんかんを持つ愛犬との暮らしで大切なこと

てんかんと診断されても、悲観的になる必要はありません。日々の暮らしの中で少し工夫するだけで、愛犬も飼い主さんも安心して過ごせるようになります。

ここでは、愛犬との穏やかな毎日のためのヒントをお伝えします。

発作の引き金になりうることを避ける工夫

てんかん発作は、特定の刺激が引き金(トリガー)になることがあります。何が引き金になるかは個体差がありますが、一般的に以下のようなことは避けた方が良いとされています。

  • 強いストレス(雷、花火、長時間の留守番、環境の変化など)
  • 過度な興奮や運動
  • 睡眠不足
  • 特定の食べ物(獣医師に相談しましょう)

愛犬の様子をよく観察し、「こんな時に発作が起きやすいかも」というパターンを見つけて、可能な範囲で避けてあげましょう。

飼い主さんの心のケアも忘れずに

愛犬のてんかんと向き合うことは、飼い主さんにとっても精神的な負担が大きいものです。「いつ発作が起きるか」という不安は、決して小さなものではありません。けれども、飼い主さんが不安でいると、その気持ちは愛犬にも伝わってしまいます。

「大丈夫、私がいるからね」と、愛犬だけでなく自分自身にも声をかけてあげてください。完璧を目指さず、できる範囲でサポートすることが大切です。

一人で抱え込まず、かかりつけの獣医師や、同じ病気を持つ犬の飼い主さんと情報を交換するなど、頼れる存在を見つけることも心の支えになります。

まとめ:てんかんと正しく向き合い、愛犬との穏やかな毎日を

愛犬のてんかん発作は、飼い主さんにとって非常に衝撃的な出来事です。しかし、正しい知識を持ち、いざという時に冷静に対応できれば、愛犬を危険から守ることができます。てんかんは長く付き合っていく病気ですが、適切な薬の管理と生活環境の工夫によって、発作をコントロールし、これまでと変わらない穏やかな生活を送ることも可能です。

この記事が、てんかんと向き合うすべての飼い主さんと愛犬の、健やかな毎日のための助けとなれば幸いです。

犬のてんかんに関するよくあるご質問(FAQ)

てんかん発作で犬が死ぬことはありますか?

通常の短い発作(1〜2分)で直接命を落とすことは稀です。しかし、発作が5分以上続く「重積発作」や、発作中に呼吸が止まってしまうような場合は、命に関わる危険があります。危険なサインが見られたら、すぐに動物病院へ連絡してください。

抗てんかん薬に副作用はありますか?

薬の種類にもよりますが、飲み始めに眠気、ふらつき、食欲増進、飲水量や尿量の増加などの副作用が見られることがあります。多くは体が慣れるにつれて軽減しますが、気になる症状が続く場合は獣医師に相談しましょう。また、肝臓に負担をかける薬もあるため、定期的な血液検査が重要です。

てんかんを持つ犬の寿命は短いですか?

適切な治療で発作がうまくコントロールできていれば、てんかん自体が直接寿命を縮めることは少ないとされています。脳腫瘍など、原因となる病気がある場合はその病気の進行度に左右されますが、特発性てんかんの場合は、他の健康な犬と同じように天寿を全うすることも十分に可能です。

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