【猫のてんかん】発作が起きたらどうすればいい?すぐできる対処法と受診の目安
Table of Contents
- 猫がてんかん発作を起こしたら?今すぐ飼い主ができる対処法
- 慌てずに周囲の安全を確保する
- 絶対にNG!発作中の猫に「してはいけないこと」
- 落ち着いて発作の様子を記録・動画撮影する
- すぐに動物病院へ行くべき?緊急受診の目安
- 5分以上続く発作(てんかん重積)はすぐに受診を
- 1日に何度も発作を繰り返す場合(群発発作)
- 猫の「てんかん」ってどんな病気?主な症状と原因
- てんかん発作の主な症状(全身のけいれん・一部のけいれん)
- なぜ発作が起きるの?考えられる2つの原因
- 動物病院での診断と、これからのケア・サポート方法
- 診断には飼い主さんの「問診」がとても重要です
- お薬によるコントロールと日々の健康管理
- 食事やサプリメントで毎日の健康をサポート
- 猫のてんかんに関するよくあるご質問 (FAQ)
- まとめ:愛猫のてんかん発作には冷静な対応と記録が大切です
- まずは深呼吸:飼い主さんが落ち着くことが一番大切です。
- 安全確保:猫の周囲にある危険なもの(家具の角など)を遠ざけましょう。
- 絶対に触らない:大声で呼んだり、抱きしめたり、口に手を入れるのはNGです。
- 時間を測る・動画を撮る:発作の長さと様子をスマートフォンで記録しましょう。
- 5分以上は緊急事態:発作が5分以上続く場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
目の前で愛猫が突然バタバタと倒れ、けいれんを起こしたら……。「どうすればいいの?」「死んでしまうのでは?」と、頭が真っ白になりパニックになってしまうのは当然のことです。愛猫が苦しそうな姿を見るのは、飼い主さんにとって本当に辛い経験ですよね。
しかし、てんかん発作が起きた時、愛猫を守るために一番必要なのは、飼い主さんが冷静に対処することです。
この記事では、今まさに不安を抱えている飼い主さんに向けて、発作中に「今すぐすべきこと」と「絶対にやってはいけないこと」、そして動物病院へ行くべき緊急の目安について、わかりやすく解説します。まずは深呼吸をして、落ち着いて愛猫の安全を確保してあげましょう。
猫がてんかん発作を起こしたら?今すぐ飼い主ができる対処法

愛猫が突然てんかん発作を起こした時、「猫がてんかんを起こしたら、どうすればいいの?」と焦ってしまうのは無理もありません。突然のけいれんや意識を失う姿を見ると、思わず駆け寄って抱きしめたくなるかもしれません。
しかし、発作中の猫は自分の体をコントロールできず、パニック状態にあります。この時、飼い主さんが慌てて行動してしまうと、かえって猫を危険に晒してしまうこともあります。
まずは飼い主さん自身が大きく深呼吸をして、落ち着きを取り戻すことが最初のステップです。愛猫の安全を守るために、今すぐできる適切な対処法を順番に確認していきましょう。
慌てずに周囲の安全を確保する
発作が始まったら、まずは猫がケガをしないように周囲の環境を整えることが最優先です。けいれんによって体が激しく動き、思わぬ方向に転がってしまうことがあります。
猫の近くにある硬い家具、角の尖ったもの、倒れやすいもの、ストーブなどの危険なものをすぐに遠ざけましょう。もし、階段の近くや高い場所で発作が起きた場合は、転落を防ぐために、猫と危険な場所の間にクッションや丸めた毛布などをそっと置いて壁を作ってあげてください。
無理に猫を移動させるのではなく、猫の周りの危険を取り除くことで安全を確保します。
絶対にNG!発作中の猫に「してはいけないこと」
発作中の猫に対して、良かれと思ってやってしまいがちな行動の中には、実は大変危険なものがあります。以下の行動は絶対に避けてください。
- 大声で名前を呼ぶ・体を激しく揺さぶる:脳が過剰に興奮している状態のため、強い刺激は発作を長引かせる原因になるとされます。
- 抱きしめる・体を強く押さえつける:無意識のうちに暴れてしまい、飼い主さんが引っ掻かれたり、猫の骨折に繋がる恐れがあります。
- 口の中に手を入れる:舌を噛まないようにと指を入れるのは大変危険です。無意識に強く噛みつかれ、大ケガをする可能性があります。
「発作中は、愛猫に触れず、静かに見守ることが最大のサポートになります。」
落ち着いて発作の様子を記録・動画撮影する
周囲の安全を確保し、猫に触れないように見守る態勢ができたら、次にすべきことは「記録」です。発作がいつ始まり、いつ終わったのか、時計を見て正確な時間を測りましょう。
そして、可能であればスマートフォンで発作の様子を動画で撮影してください。「苦しんでいる姿を撮るなんて…」とためらうかもしれませんが、この動画は後で獣医師が診断を行うための非常に重要な手がかりとなります。
全身がけいれんしているのか、顔の一部だけがピクピクしているのか、よだれは出ているかなど、言葉では伝えにくい細かな様子を記録しておくことが、今後の適切なケアに繋がります。
すぐに動物病院へ行くべき?緊急受診の目安

てんかん発作の多くは、1〜2分程度で自然に収まるとされています。発作が収まり、猫が普段通りの様子に戻ったのであれば、慌てて夜間救急に駆け込む必要はないケースがほとんどです。しかし、発作の長さや頻度によっては、命に関わる危険な状態に陥っているサインかもしれません。以下の緊急受診の目安を必ず知っておきましょう。
5分以上続く発作(てんかん重積)はすぐに受診を
通常、てんかん発作は数分以内で収まりますが、もし発作が「5分以上」続いている場合は、「てんかん重積(じゅうせき)」と呼ばれる非常に危険な状態に陥っている可能性があります。
発作が長く続くと、脳に十分な酸素がいかなくなり、脳の神経細胞に深刻なダメージを与えてしまう恐れがあるとされています。最悪の場合、命に関わることもあるため、一刻を争います。
時計を見て、発作が5分を超えても収まらない場合は、夜間や休日であっても、すぐに救急対応をしている動物病院へ連絡し、指示を仰いで急いで受診してください。
1日に何度も発作を繰り返す場合(群発発作)
1回の発作自体は1〜2分と短くても、24時間以内に2回、3回と何度も発作を繰り返す状態を「群発発作(ぐんぱつほっさ)」と呼びます。
発作と発作の間は意識が戻り、普通に歩いたりご飯を食べたりすることもありますが、脳の興奮状態が完全に治まっていないサインです。群発発作を放置すると、先ほど説明した危険な「てんかん重積」へと移行してしまうリスクが高まるとされています。
1日に複数回の発作を確認した場合は、様子を見ずに、できるだけ早く動物病院を受診して適切なサポートを受けることが大切です。
猫の「てんかん」ってどんな病気?主な症状と原因

愛猫の発作が落ち着き、少しホッとできたところで、そもそも「てんかん」とはどのような状態なのかを知っておきましょう。てんかんとは、脳の神経細胞が突然、過剰に興奮してしまうことで、コントロールできない電気信号が脳内に広がり、発作を繰り返す脳の疾患です。ここでは、飼い主さんが気づきやすい主な症状と、考えられる原因について解説します。
てんかん発作の主な症状(全身のけいれん・一部のけいれん)
てんかん発作の症状は、脳のどの部分で異常な興奮が起きているかによって大きく2つに分けられます。
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発作の種類 |
主な症状のサイン |
|---|---|
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全般発作 |
突然バタッと倒れる、意識がなくなる、全身をピンと突っ張る、手足をバタバタと激しく動かす(けいれん)、大量のよだれを垂らす、失禁してしまうなど。 |
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焦点性発作 |
顔の片側だけがピクピク引きつる、片方の手足だけがけいれんする、ハエを噛むような仕草をする、一点を見つめてボーッとするなど。意識がある場合もあります。 |
猫の場合は、焦点性発作から始まり、そのまま全般発作へと移行するケースも多く見られます。
なぜ発作が起きるの?考えられる2つの原因
猫がてんかん発作を起こす原因は、大きく分けて「特発性」と「構造的」の2つに分類されるのが一般的です。
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原因の分類 |
特徴と傾向 |
|---|---|
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特発性てんかん |
MRIなどの検査を行っても、脳に明らかな異常が見つからないタイプです。遺伝的な要因が関与していると考えられており、比較的若い年齢(1〜5歳頃)で発症することが多いとされます。 |
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構造的てんかん |
脳腫瘍、脳炎、脳梗塞、過去の頭部外傷など、脳の構造そのものに明らかな異常やダメージがあることが原因で起こるタイプです。シニア猫になってから初めて発作が起きた場合は、こちらが疑われることが多くなります。 |
動物病院での診断と、これからのケア・サポート方法

てんかん発作を起こした後は、必ず動物病院を受診し、獣医師の診察を受けましょう。てんかんのケアは、完全に発作をなくすことよりも、発作の頻度や程度を減らし、愛猫が穏やかに過ごせる時間(QOL:生活の質)を維持することが主な目標となります。ここでは、病院での診断の流れと、家庭でできる日々のサポートについて解説します。
診断には飼い主さんの「問診」がとても重要です
動物病院を受診した際、獣医師が発作の瞬間を直接見ることはほとんどありません。そのため、てんかんの診断において最も重要な手がかりとなるのが、飼い主さんからの「問診」です。
いつ、どのような状況で発作が起きたのか、発作は何分続いたのか、発作の前後に変わった様子はなかったかなど、詳しく伝えることが大切です。
この時、スマートフォンで撮影した発作の動画があれば、獣医師にとって非常に有益な情報となります。また、血液検査やMRI検査などを行い、他の病気が隠れていないかを確認しながら、総合的に診断が進められます。
お薬によるコントロールと日々の健康管理
てんかんと診断された場合、多くは抗てんかん薬を用いたコントロールが開始されます。お薬の目的は、脳の過剰な興奮を抑え、発作の回数を減らしたり、症状を軽くしたりして、愛猫の体への負担を軽減することです。
お薬は毎日決まった時間に、継続して飲ませることが非常に重要です。発作が起きていないからといって、飼い主さんの自己判断でお薬を急にやめてしまうと、反動で重篤な発作を引き起こす危険性があるとされています。
また、強いストレスや疲労は発作の引き金になることがあるため、静かで安心できる生活環境を整えるなど、日々の健康管理も大切なサポートになります。
食事やサプリメントで毎日の健やかな暮らしをサポート
お薬によるコントロールに加えて、毎日の食事や栄養面から脳の健康維持をサポートすることも、愛猫の健やかな生活に役立つとされています。
例えば、年齢とともに気になる健康維持のために、DHAやEPAなどの『オメガ3脂肪酸』が含まれた食事を選ぶのも一つの方法です。また、抗酸化成分を含む食材は、本来持っている免疫力の維持や、若々しく健やかなコンディションを保つのに役立ちます。
毎日の食事だけで十分な栄養を補うのが難しい場合は、獣医師に相談の上、猫用のサプリメントを上手に活用するのもおすすめです。愛猫の体質に合った食事選びで、内側からの健康維持を心がけましょう。
猫のてんかんに関するよくあるご質問 (FAQ)
発作中、猫は痛みを感じたり、苦しんだりしているのでしょうか?
全身のけいれんを伴う全般発作の場合、猫は意識を失っていることがほとんどだとされています。そのため、見た目は非常に苦しそうに見えますが、発作の最中に痛みや恐怖を感じているわけではないと考えられています。飼い主さんはパニックにならず、冷静に見守ってあげてください。
多頭飼いをしているのですが、他の猫はどうすればいいですか?
発作を起こしている猫を見て、他の猫がパニックになったり、攻撃してしまったりすることがあります。発作が始まったら、他の猫は別の部屋に移動させるなどして隔離し、発作中の猫の安全と静かな環境を確保してあげましょう。
てんかんは、同居している他の猫にうつる病気ですか?
てんかんは、ウイルスや細菌による感染症ではありません。脳の神経細胞の異常な働きによって起こる疾患ですので、くしゃみや接触などで他の猫にうつることは絶対にありません。安心してください。
発作の後、猫がウロウロ歩き回ったり、目が見えていないようなのですが?
発作が収まった直後は、脳がまだ混乱している状態(発作後兆候)です。一時的に目が見えにくくなったり、フラフラと歩き回ったり、異常な食欲を見せたりすることがあります。通常は数十分から数時間で元に戻るとされますので、ケガをしないように優しく見守りましょう。
まとめ:愛猫のてんかん発作には冷静な対応と記録が大切です
愛猫のてんかん発作に直面すると、誰でも動揺してしまうものです。しかし、今回解説したように、飼い主さんが冷静になり「周囲の安全を確保すること」「絶対に触らないこと」、そして「発作の様子を記録・動画撮影すること」が、愛猫を守るための最善の対処法となります。
5分以上続く発作や、1日に何度も繰り返す場合は、迷わず動物病院へ連絡してください。てんかんは、お薬によるコントロールや日々の環境づくり、食事の工夫などで、愛猫の生活の負担を減らし、穏やかな日々をサポートしていくことができる疾患です。
一人で抱え込まず、かかりつけの獣医師としっかり連携しながら、愛猫の健康維持を二人三脚で支えていきましょう。



